『黒猫・モルグ街の殺人事件 他五篇』 ポオ 中野好夫 訳 (岩波文庫)

 先週帰省した際に持ち帰った『黒猫・モルグ街の殺人事件 他五篇』。
 『宿命』『おくりびと』は弟の本棚からでしたが、これは私の本棚から。
 ――といっても、読了した記憶がありません。

 7篇収められていて、最初の黒猫は、先月読んだ偕成社の少年少女 世界の名作シリーズの『黒猫』にも入っていました(ほかにモルグ街の殺人事件が重複)。
 ということで、最後の盗まれた手紙から読み始めました。これはたぶん初めてと思いますが、あまりに有名なので、トリックだけは知っていました。
 それにしても、訳が難しい――というか、原文が難しいのでしょう。
 数学・論理学に関わる表現が多いのには驚きました。

 モルグ街の殺人事件も同様で、最初の約5ページは少年少女 世界の名作シリーズにはありませんでした。
 以下は、そのうちの4ページ。確かに少年少女には難しい・・・。
 中年にとっても難しいことに変わりありませんが・・・。

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 原文にチェスが登場していたとは! 新たな発見。
 下らないチェス遊びなど、ネガティブに語られているのが残念ですが・・・。
 チェスより上とされているドラフツ、ホイストは何なのかというと、ドラフツはチェッカー(Wikipedia)、ホイストはブリッジのもとになったトランプのゲーム(Wikipeida)でした。
 チェスの低評価については、ポーの誤解を解いてあげたいですね(特に、慧敏な人間よりも、ただ注意力の傑れた方が、勝つことになるの部分)。。

 天邪鬼まで読んだところで気が変わり、今度は最初に戻り黒猫から――。
 きょう、ようやく裏切る心臓を読み終えました。

 後半3篇はデュパンものが続くのに対し、それまでの4篇は独白もの。
 黒猫と同じような感じで、ポーが書きたいテーマだったということでしょうか。

 訳者・中野好夫の解説にはポーの生涯が詳しく書かれていますが、現在だったらもう少し穏やかな表現にするはず――という箇所がけっこうありました。
 でも、波瀾万丈なポーの生涯がよく伝わってくる文章です。
 ポール・ヴァレリの評を引用した中にある数学的阿片という言葉が印象に残りました。

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黒猫  ウィリアム・ウィルソン  裏切る心臓  天邪鬼
モルグ街の殺人事件  マリ・ロジェエの迷宮事件  盗まれた手紙
  解説/中野好夫
      (1978年12月18日第1刷発行 1989年8月5日第15刷発行)

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