『疑惑』 松本清張 (文春文庫)

 実家の本棚にあった松本清張の『疑惑』。千葉へ戻る前に読み終えました。

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 帯には田村正和。テレビ朝日開局50周年記念・松本清張生誕100年記念のスペシャルドラマだったんですね。
 5人のキャストは、田村正和=佐原弁護士は確定として、沢口靖子=白河球磨子、室井滋=秋谷の妻、小林稔侍=秋谷記者、津川雅彦=白河福太郎と予想し、Wikipediaを見たら、正解は二人だけ。白河福太郎は小林稔侍で、津川雅彦は原山正雄でした。室井滋は秋山容子となっていて、ほかに秋山姓の記載なし。女性新聞記者という設定だったのでしょうか。
 ちなみに、今年はテレビ朝日開局60周年記念として、再びオンエアされていました。津川雅彦=原山正雄とナレーションの遠藤憲一は同じ。テレビ朝日開局70周年記念はさすがに・・・と思いますが、二度あることは三度の『疑惑』はあるのでしょうか。

 白河球磨子の結婚前の名前は鬼塚球磨子。略して、鬼熊。前科がある上に、名前でも損しています。

 『疑惑』とともに本書に収められているのが、『不運な名前』。これは球磨子にも当てはまるわけで、絶妙な組み合わせです。

 『不運な名前』は趣ががらっと変わり、藤田組贋札事件を描いたもの。犯人とされた熊坂長庵は、「講談などで有名な平安時代の夜盗」熊坂長範と一字違い。これも名前で損をした一例かもしれません。
 「真犯人は熊坂長庵ではない」ことを推理していく流れですが、真相が明らかになるわけでなく、主人公の説に対し、もう一つの説が提示される形で終わっています。
 どちらもありうると思いますが、このストーリーを組み立てるのにどれだけの時間をかけて資料を読み込んだのか? 『「松本清張」で読む昭和史』の以下の部分が体感出来る作品です。

 小説でありながら、ある種ノンフィクションの要素が混じっている。(略)多かれ少なかれ、清張作品に共通して見られる一つの特徴だと思います。そこが、小説とはいえ非常に資料的価値があるところなのです。(P33)

 藤田組贋札事件についてはよく分かっていないので、復習してからまた読んでみようと思います。

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疑惑
不運な名前
   (1985年3月25日第1刷 2009年1月10日第20刷)
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