*** キロクアメ アキタ (8/10) ***

 昨夜は三連続夜勤の最終日でした。 

 下は0時の衛星画像(水蒸気画像)で、二つの渦巻きがきれい!――と言っている場合ではなく、青森県の西海上の積乱雲が想定外。海上では落雷を多数、観測していました。

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 どのモデルも計算していなかったこの積乱雲はゆっくり東南東に進み、6時の衛星画像はこんな感じ。レーダーエコー図では、男鹿半島の南から秋田県中部・南部に強いラインが刺さりました。

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 明け方以降は何度も臨時報を発表することになり、引き継ぎの7時になっても引き継げず・・・。
 キロクアメ アキタが入っていたことに気づいたのは、8時近くでした。

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秋田県記録的短時間大雨情報 第1号
令和元年8月10日06時59分 気象庁発表

6時40分秋田県で記録的短時間大雨
横手市西部付近で約100ミリ

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 アメダスでも、以下の地点で観測史上1位となる強雨を観測しています。

  1時間降水量
   大正寺 62.5ミリ(~06:00)
   東由利 65.0ミリ(~06:49)
   笹子  66.0ミリ(~08:03)
   湯沢  52.0ミリ(~07:26)
  3時間降水量
   大正寺 108.5ミリ(~08:10
  6時間降水量
   大正寺 152.5ミリ(~10:30)

 当時の天気図は以下の通りで、秋田沖には3時から小低気圧が解析されていました。これは寒気を伴った気圧の谷(500hPa/-9℃前後)に対応していて、下層には湿った空気が流れ込んでいたため、大気の状態は不安定。
 下層に収束があれば対流雲が発達しやすい状況で――下層に収束がありました。。
   
 ●地上実況天気図 8月10日6時        ●AXFE578 8月10日9時
SPAS_2019081006.jpg

 ちなみにキロクアメ アキタが発表される約半日前、9日18時初期値MSMの降水量と850hPaの風の予想(対象時刻:10日6時)は以下の通り。
 秋田県内に降水は皆無・・・。

 ●9日18時初期値MSM   左:降水量・地上風  右:850hPa風
tohoku-precip1-12_080909z.png

 9日21時初期値MSMの降水量と850hPaの風の予想(対象時刻:10日6時)。
 秋田県内に降水は皆無・・・。

 ●9日21時初期値MSM   左:降水量・地上風  右:850hPa風
tohoku-precip1-9_080912z.png

 10日0時初期値MSMの降水量と850hPaの風の予想(対象時刻:10日6時)。
 男鹿半島など一部に降水が計算されるようになりました・・・。

 ●10日0時初期値MSM   左:降水量・地上風  右:850hPa風
tohoku-precip1-6_080915z.png

 10日3時初期値MSMの降水量と850hPaの風の予想(対象時刻:10日6時)。
 量は足りませんが、実況に近い分布になってきました。
 が、このデータが入っているのは5時30分前なので、すでに強雨は始まっています・・・。

 ●10日3時初期値MSM   左:降水量・地上風  右:850hPa風
tohoku-precip1-3_080918z.png

 10日6時初期値のMSM――は6時がFT=0なので、前1時間降水量はなく、左の画像は地上風のみ。
 同じメニューでないので比較が難しいですが、地上風は秋田の西~南西海上で10kt以上(水色で図示)の西南西風のエリアが広がりました。
 それより分かりやすいのは850hPaで、20kt以上(青色で図示)の西南西風のエリアが広がった――というより、新たに出現しています。

 ●10日6時初期値MSM   左:地上風  右:850hPa風
tohoku-sfcuv-0_080921z.png

 予想以上の西南西風の強まりは水蒸気の補給の増大、また、北側の西~西北西の風との間での収束の強まりにつながり、いずれも強雨をもたらす方向に作用したと考えられます。
 風の分布がこれだけ違えば、降水域・降水強度を的確に予測出来ないのは当然で、Forecastでの見積もるのは難しい事例でした。
 次回、同じような場に遭遇した時、どのように見解を組み立てるか――。答えはなかなか見つかりません。。


 ※ 衛星画像・レーダーエコー図・天気図は気象庁のHP、
   MSMの画像はWeater Modelsから引用しました。

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