*** 九州南部+熊本の大雨(6/28~7/4) ***

 梅雨前線は北緯30度以南まで南下し、九州南部の雨は一休み。
 キロクアメ(記録的短時間大雨情報)こそ発表されませんでしたが、先月末から3日夜間にかけて、記録的な大雨になりました。

 きょう、鹿児島地方気象台のHPを見たら、災害時気象資料がアップされていました――と思ったら、作成は福岡管区気象台。
 鹿児島・宮崎だけでなく、熊本県を含んでいるので、こうなるんですね。

  → 災害時気象資料―令和元年6月28日から7月4日にかけての熊本県・宮崎県・鹿児島県の大雨について―

 下は、この資料の14ページに掲載されている総降水量の分布図。
 えびのの1089.5ミリを筆頭に、鹿児島+宮崎南部は600ミリ以上のエリアが広がっています。
 モデルの計算では梅雨前線の強雨域が九州北部まで北上する日もありましたが、実際はほぼ九州南部に停滞。
 九州は南北で対照的な降水量分布となっています。

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 資料1ページに記載されている宮崎県の大雨の状況――。

6月28日朝から昼前にかけて局地的に非常に激しい雨が降り、南部山沿いを中心に大雨となった。29日は一時小康状態となったが、30日昼過ぎから断続的に雨が降り、7月1日未明から朝、2日明け方には局地的に非常に激しい雨が降り、南部を中心に大雨となった。えびの(えびの市)※では28日00時から7月4日24時までの総降水量は1089.5ミリとなった。また、72時間降水量では油津(日南市)で544.0ミリを観測し、観測史上1位となった。
 ※えびの観測所(海面上の高さ1,150m)


 えびのの総降水量・1089.5ミリは先に触れた通りですが、目をひいたのは※の部分。
 アメダスえびのの標高はこんなに高かったですが・・・。

 全国アメダス観測所MAPで確認すると、韓国岳の山域内で、確かに標高は高いです。
 ちなみに、えびの市中心部にあるアメダスは加久藤で、少しややこしいです。
 えびの→えびの高原、加久藤→えびののほうが誤解を招かないと思いますが、何か事情があるのでしょうか・・・。

ebino.png
 今回の強雨を通して見ていたわけでないですが、上に書いたように、梅雨前線の降水域はモデルの計算より南へずれる傾向がありました。
 前線の降水域が北に偏って計算されてしまうのは今回に限った話ではなく・・・。ただ、昨シーズン、MSMはともかく(!?)、ECMWFがこんなにひどかった記憶はありません。

 私が詳細に見たのは、シフトで西日本を担当していた2日午後で、2日夜間~3日夜間が予報対象時間帯。
 精度がもっともよいと言われているECMWFの強雨域は九州北部~中国地方がメインで、3日夜間には京阪神を含む近畿中部・近畿北部から北陸(~東北南部)へと広がっていました。DWDの強雨域はこれより南だったものの、同傾向。
 MSMは強雨域の広がりこそECMWFほどでなかったですが、擾乱が巻き過ぎなために前面の暖湿気を北上させ、2日夜間は九州北部、3日夜間は京阪神周辺に強雨を予想していました。
 これに対し、比較的よかったのはKMAで、前線に伴う降水域はほぼ九州南部。実況にもっとも近かったです。

 次の事例はどうなるか分かりませんが、ECMWF/DWDやMSMにこのような癖があるとすれば、モデルの強雨域を南へ下げて考える必要があります。着目点は925~950hPa付近の相当温位の集中帯。850hPaだと少し北過ぎるかも・・・というのが、次回に向けての備忘録です。

この記事へのコメント

navarea11
2019年07月06日 19:15
アメダスの「加久藤」は、旧えびの町より前にあった加久藤町を起源とする名称から来ています。現在のアメダス「えびの」は、旧飯野町にあったところです。
続けて言うと、アメダスの前身である委託観測所時代から、「えびの高原」であったところですので、継続性の観点からそのまま使用されていると言ったところでしょう。
これと同じような性格を持っている観測所の一つに、高層観測点の「館野」があります。設置当時の筑波郡小野川村館野に由来します。
たかはし
2019年07月10日 10:29
コメントありがとうございます。「加久藤」が合併前の町名というのは知りませんでしたが、それならば納得のいく話です。「えびの」は委託観測所時代の「えびの高原」から変える必要がなかった感じがします。