『実戦型詰将棋39題』 安西勝一 (将棋世界・平成8年11月号付録)

 11年前の将棋世界の付録です。安西五段(現六段)の詰将棋の付録なんて、まったく記憶にありませんでしたが、「実戦型」という言葉にひかれ、解いてみました。
 矢倉っぽいのが15問、美濃囲い・銀冠っぽいのが16問、その他の囲いが8問、一番長いのは23手詰です。実戦のそのまま現れそうな形もあり、60秒の秒読みのつもりで挑んだのですが、ほとんどの問題がタイムオーバー。
 結論としては、ちゃんと詰ますには5分はほしい! やっぱり序盤~中盤の研究をちゃんとやって、時間を残して終盤を迎えるのが理想です・・・けど、それは無理!! 勝つ方法は相手玉を詰ますことだけではないので、そちらのテクニック(?!)に磨きをかけることにします。
 いつまでたっても王道を歩けませんね・・・。

 矢倉っぽいのと、美濃囲い・銀冠っぽいのを比べると、実戦経験のせいか、美濃・銀冠っぽいののほうが早く解けました。
 でも、NO.28は相当悩みました。39問のうち、一番時間がかかった問題です。


 盤面22枚、攻め方の持駒5枚、計27枚! あまり詰将棋には見えません。美濃囲いに対して継ぎ桂を狙った8六桂―――、実戦にも現れそうな形です。そんな自然な配置の中で違和感を覚えるのは、玉方の7七香。
 取られるためにしか存在価値がなさそうなので、香を取る手順を考えればよいのですが、これがなかなか見つかりません。9手目が相当見えにくいと思います。

 次に時間がかかったのはNO.24。分かってしまえば、簡単な問題なのですが、本筋を見つけるまでは同じような手順を堂々巡りで読んでいました。


 基本的に大駒をたたき切って、さわやかに寄せる棋風(?!)なので、小駒図式の細かなやりとりは苦手なんです・・・ということにしておきましょうか・・・。

 NO.26、これは簡単・・・と答えを見たら、違っていました。


NO.26 解答
 ▲7四桂 △9三玉 ▲7五角 △8四歩 ▲8三金 △同 玉 ▲8二金 △7四玉
 ▲6五金 △6三玉 ▲6四金 △5二玉 ▲5三金 △4一玉 ▲4二金 まで15手詰


 これでも確かに詰みますが・・・。

 ▲9三金 △同 玉 ▲8五桂 △8四玉 ▲7六桂 △8五玉 ▲8六金 △7四玉
 ▲7五金 △6三玉 ▲5三金 まで11手詰

 これでも詰みますよね!? ということは、余詰です・・・。

 この余詰順は玉方5一歩がなくても詰みます。一方、作意手順は5一歩がないと、▲5三金に△5一玉があるので、詰みません。ですので、一番手っ取り早い修正は玉方5一歩を省き、余詰順を作意手順にすることだと思います。

 それにしても作意の▲8三金~▲8二金は見えづらいです。この手が見えなかった自分はハナから▲7四桂を考えず、一目▲9三金でした。
 ▲7四桂以下の作意手順と▲9三金以下の余詰順、第一感はどちらが多いんでしょう? ちょっと気になるところではあります。

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NO.28 解答
 ▲7四桂打△同 歩 ▲同 桂 △7三玉 ▲6五桂 △同 歩 ▲8二角 △7四玉
 ▲7五歩 △同 玉 ▲6四銀 △7六玉 ▲8六金 △6六玉 ▲7五銀 △5六玉
 ▲4六角成△同 歩 ▲5七歩 △4五玉 ▲3五金 まで21手詰


 6手目△6三玉は▲4一角△5二合▲5三銀成以下詰み。この変化も見えにくいです。

NO.24
 ▲9四桂 △同 歩 ▲9三銀 △同 香 ▲7一銀 △7三玉 ▲6二銀不成△8四玉
 ▲9六桂 △8五玉 ▲8六金 △7四玉 ▲7五金 まで13手詰


 初手▲7一銀や▲7三桂しか考えていなかったので、はまりました。▲9四桂~▲9三銀の筋が浮かぶまで×日、浮かんでからは30秒でした。

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