『ドレミファソラシは虹の七色? 知られざる「共感覚」の世界』 伊藤浩介 (光文社新書)

 『ドレミファソラシは虹の七色?』を読了しました。
 サブタイトルは、知られざる「共感覚」の世界
 「共感覚」という言葉もそうですが、この表紙に惹かれました。
 同じ光文社新書でも、『20世紀論争史』とは大違い。。

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「共感覚」とは、音や文字に色を感じたり、色から音を感じたり、味から形を感じたりする現象を指す。耳から入った音が、文字や数字が、なぜ色の感覚を引き起こすのか。このとき脳の中ではどのようなメカニズムが働いているのか。この現象は、珍しいものなのか、そうでないのか。
本書は、ドレミファソラシが虹色の七色になるという著者が発見した共感覚の現象をもとに、音階がなぜ色を持つのか、そしてなぜそれが虹色になるのかという問題の答えを探る。
音階は、なぜ七音なのか? 虹は、なぜ七色なのか? そして人はみな、潜在的な共感覚者なのか? 気鋭の脳科学研究者による、人間の認知の不思議を探る知的スリルに満ちた一冊。


 カバーの言葉通り、知的スリルに満ちた一冊でした。
 「はじめに」にあるように、少しずつ答えが見えてくる過程を楽しめました。
 その答えが正解と限らなくても、妥当と思えることが多かったです。

 同時に買った『20世紀論争史』について、次のように書きましたが――。

 本書の4章には、虹と言語という一節があり、「虹が何色と認識されているかは、言語によって異なる」という例が示されています。
 日本やフランスは七色、英語圏は六色、ドイツ語は五色、アフリカ南部のショナ語圏では三色、バサ語圏では二色――。
 こんなところで虹が見られるとは、光文社新書の意図なのか? 偶然なのか?
 
 もっと本書と重なる表現がありましたね。
 やはり、光文社新書の意図を感じざるを得ません。。

助手 虹の色は、本当は何千万色にでも分類できるのに、人間が七色や六色や五色、あるいは三色や二色に分けて認識しているということですか?
教授 まさに、そういうことだ。そもそも七色というのは、ニュートンが最初にプリズムに白色光を当てて色を分解させた際、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の七音階に合わせて、わかりやすく表現した基本色にすぎない。実際には、色は分けようと思えば、いくらでも無数の波長に分類できるわけだからね。(P58)

 無数の波長(無数の周波数)を離散化したものであるというのは、基本色も七音階も共通しています。
 違うのは、螺旋化出来るかどうか――なんて考えたことなく・・・。
 だから、ニュートンの説は妥当とはいえないんですね。

 ・虹 #ニュートンの7色説の権威とその乗り越え(Wikipedia)

 閉じている色相環に対し、閉じない虹のスペクトル。
 赤紫は位置づけが違うんですね。
 これを表した口絵5を含め、冒頭のカラーの口絵が分かりやすいです。

 螺旋化以上に考えていなかったのは、七音階の話。
 ピアノなどの鍵盤が、なぜ白と黒の数が違うのか――というより、1オクターブに12ある鍵盤が、なぜ白7・黒5なのか――。
 第四章の音階はなぜ七音か?で初めて知ったことが多かったです。
 音階だけでも、深すぎて・・・。

 ・音名・階名表記
 ・なぜ音階は「ドレミファソラシド」なのか

 帯がピンクなのは、「先生はピンクです」と言われたからなのでしょう。
 その意味は、最後の一文で明らかにされるのですが――。

 こんなオチがついてくるとは思いませんでした。
 面白いだけでなく、よく出来た――というか、出来すぎ。
 これは素晴らしいです。。

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 はじめに
第一章 共感覚とは何か?
第二章 共感覚とは本当は何か?
第三章 ドレミファソラシは虹の七色?
第四章 音階はなぜ七音か?
第五章 虹はなぜ七色か?
第六章 ドレミファソラシはなぜ虹色か?
第七章 七の壁
 おわりに
      (2021年3月30日初版第1刷発行)
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