*** 東北道で地吹雪による多重事故 (1/19) ***
三日前(19日)、東北自動車道で多重事故が発生しました。
地吹雪により、ホワイトアウトが発生していたと思われます。
事故が発生したのは三本木PAと長者原PAの間で、最寄りのアメダスは古川。
11時56分に最大瞬間風速27.8m/sを記録していました。
登米市の米山では10時26分に最大瞬間風速23.7m/sを記録。
統計期間は短いですが(2009~)、ともに1月の1位の記録を更新しています。
天気図を見ると、低気圧が東へ抜け、高気圧は沿海州付近。
コンパクトな西高東低で、等圧線の間隔が狭くなっていました。
500hPaの流れは北西で、太平洋側で下降流が強まりやすい場です。

この日の古川は未明~明け方に積雪深が5cm増え、12時現在は10cm。
(13時に6cmまで減っているのは、風の影響・・・?)
気温は朝からほどんど上がらず、-3.6℃でした。
過去の事例はどうだったのか?
上で触れたように、統計期間は短いですが、古川の最大瞬間風速トップ10のうち、今回をのぞく9事例は以下の通り。
最大瞬間風速を観測した時刻の気温と積雪深を並べてみました。
25.3 西北西 (2009/1/19) 21:00 1.3℃ 0cm
24.9 西北西 (2010/1/26) 14:50 1.5℃ 0cm
24.8 西北西 (2013/1/11) 12:40 -0.3℃ 0cm
24.7 西北西 (2021/1/7) 20:20 -0.7℃ 14cm
24.7 西 (2014/1/29) 01:00 -0.8℃ 0cm
24.4 北西 (2015/1/20) 13:10 1.2℃ 0cm
24.3 西北西 (2017/1/19) 08:10 1.9℃ 0cm
24.0 西北西 (2019/1/11) 02:10 4.4℃ 0cm
24.0 北西 (2015/1/18) 14:40 1.2℃ 0cm
これを見ると、9事例のうち、積雪深のある状況で最大瞬間風速24m/s以上を観測したのは、今年の1月7日だけ。新たな積雪深の増加は2cmでした。
ほかの8事例は積雪深は0cmで、気温は大半がプラス。
今回のように新たな積雪深が多く、気温が低い事例はありませんでした。
通常、地上の気温が低いと安定層が形成され、上空の強風が地上まで吹き下りてこないですが、今回は上も寒気が強かったので話は別。
19日12時のMSMの解析値をみると、850hPa(1385m)の気温は-14.8℃で、地上(28m)気温-3.6℃との差は12.2℃。
気温減率は0.83/100mと比較的大きかったことに加え、強い下降流があったため、上空の強風が吹き下りやすかったのでしょう。
また、上の動画にあるように、地吹雪の発生条件は「新雪がある」「気温が低い」「風が強い」ですが、今回はすべて当てはまっていました。
さらに、地形的な影響——というのは、こちらの記事でも言及されています。
→ 東北道事故 宮城県北部は地吹雪の常襲地帯 地形の影響も
類似事例との比較検証が必要ですね。
※ 天気図の画像は気象庁のHPから引用しました。
地吹雪により、ホワイトアウトが発生していたと思われます。
事故が発生したのは三本木PAと長者原PAの間で、最寄りのアメダスは古川。
11時56分に最大瞬間風速27.8m/sを記録していました。
登米市の米山では10時26分に最大瞬間風速23.7m/sを記録。
統計期間は短いですが(2009~)、ともに1月の1位の記録を更新しています。
天気図を見ると、低気圧が東へ抜け、高気圧は沿海州付近。
コンパクトな西高東低で、等圧線の間隔が狭くなっていました。
500hPaの流れは北西で、太平洋側で下降流が強まりやすい場です。

この日の古川は未明~明け方に積雪深が5cm増え、12時現在は10cm。
(13時に6cmまで減っているのは、風の影響・・・?)
気温は朝からほどんど上がらず、-3.6℃でした。
過去の事例はどうだったのか?
上で触れたように、統計期間は短いですが、古川の最大瞬間風速トップ10のうち、今回をのぞく9事例は以下の通り。
最大瞬間風速を観測した時刻の気温と積雪深を並べてみました。
25.3 西北西 (2009/1/19) 21:00 1.3℃ 0cm
24.9 西北西 (2010/1/26) 14:50 1.5℃ 0cm
24.8 西北西 (2013/1/11) 12:40 -0.3℃ 0cm
24.7 西北西 (2021/1/7) 20:20 -0.7℃ 14cm
24.7 西 (2014/1/29) 01:00 -0.8℃ 0cm
24.4 北西 (2015/1/20) 13:10 1.2℃ 0cm
24.3 西北西 (2017/1/19) 08:10 1.9℃ 0cm
24.0 西北西 (2019/1/11) 02:10 4.4℃ 0cm
24.0 北西 (2015/1/18) 14:40 1.2℃ 0cm
これを見ると、9事例のうち、積雪深のある状況で最大瞬間風速24m/s以上を観測したのは、今年の1月7日だけ。新たな積雪深の増加は2cmでした。
ほかの8事例は積雪深は0cmで、気温は大半がプラス。
今回のように新たな積雪深が多く、気温が低い事例はありませんでした。
通常、地上の気温が低いと安定層が形成され、上空の強風が地上まで吹き下りてこないですが、今回は上も寒気が強かったので話は別。
19日12時のMSMの解析値をみると、850hPa(1385m)の気温は-14.8℃で、地上(28m)気温-3.6℃との差は12.2℃。
気温減率は0.83/100mと比較的大きかったことに加え、強い下降流があったため、上空の強風が吹き下りやすかったのでしょう。
また、上の動画にあるように、地吹雪の発生条件は「新雪がある」「気温が低い」「風が強い」ですが、今回はすべて当てはまっていました。
さらに、地形的な影響——というのは、こちらの記事でも言及されています。
→ 東北道事故 宮城県北部は地吹雪の常襲地帯 地形の影響も
類似事例との比較検証が必要ですね。
※ 天気図の画像は気象庁のHPから引用しました。
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