『信長の原理 (下)』 垣根涼介 (角川文庫)

 『信長の原理』の下巻を読み終えました。
 おとといの夜――というか、きのうの未明は200ページほど一気読み。
 寝たのは4時過ぎ――って、何をやっているのでしょうか・・・。
 上の一行、『盤上の向日葵』の下巻の時と同じです。。

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信長が天下統一へと邁進する中、織田家中では羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益ら師団長たちが苛烈な出世争いを続けていた。が、“この世を支配する原理”によれば、5人のうちの1人は必ず働きが鈍り、おれを裏切る。いったい誰が? 焼けつくような駆け引きは、やがて「本能寺の変」の真相へと集束する。理想を追い求めた異端児の苦闘と内面をまったく新しい視点から抉り出し、人間の根源に肉薄した歴史小説の金字塔。

 2:6:2=1:3:1の働きアリの原理
 上巻では「どんな集団でも2割は働きが鈍くなる」までだったのに、いつの間にか「裏切る」が加わりました。
 この変化がなぜ起きたか、直接的な描写はなかったですが、実際はその通りになったわけで・・・。
 ある意味、信長自ら招いた部分があり、皮肉としか言いようがありません。

 信長だけでなく、光秀・秀吉はもちろん、丹羽長秀、柴田勝家など、各武将の心理が細かく描かれ、そうだったのかも――と思わせるものがありました。
 特に、臣従と裏切りを繰り返す松永久秀の動きは、興味深かったです。

 上巻にも出てきましたが、下巻でも何度か出てきた、神仏に関する信長と久秀のやりとり――。

 ――そちはいったい、この世に神や仏など、おらぬとでも思うておるのか。
 これに対する松永の答えは、こうだったと言う。
 ――おそらくは、いますまい。もしいたとしても、人間のことなど、ことさらに興味を持たぬかと思われます。
 何故じゃ、と信長は問うた。すると松永はこう答えた。
 ――人間といえども、しょせんは流転する万物のひとつ。その一点においては、牛馬や蟻と変わりませぬ。あまたを照らす彼らも、それほど暇ではありますまい。(P185)

 久秀の言葉に同意する、信長――。
 働きアリの原理と同様、これも信長の原理だったのでしょう。
 神仏観は共有しても、「原理」に対する考え方は違っていた久秀。
 最期の場面(P201‐202)は、信長のその後を暗示していますね。
 (まあ、小説なので、そのように描けるわけですが・・・)

 これで、先週買った、上下巻の文庫本2セット・計4冊を読了。
 だいぶ間が空いてしまった、読みかけの本に戻ります。
 『光秀の定理』も探さないと・・・。

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第一章 均衡   第二章 亀裂   第三章 崩落
  解説 細谷正充
               (令和2年9月25日初版発行)
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