『学生街の殺人』 東野圭吾 (講談社文庫)

 先週の帰省で持ち帰った3冊のラストは、東野圭吾の『学生街の殺人』。
 仙台出発の時点で残り約150ページでしたが、上野到着前に読了しました。

 去年の11月から読み始めた、弟の本棚の東野圭吾。
 講談社文庫を順番に――の予定でしたが、2冊目の『卒業』に登場した加賀恭一郎のシリーズを先に読んだので、『学生街の殺人』は9冊目になります。
 本来は3冊目のはずでしたが・・・。

 加賀恭一郎は登場しませんが、『卒業』との思わぬ共通点がありました。
 終盤(P417~421)に出てくる喫茶店・首をふるピエロ
 どこかで聞いたことがあると思い検索したら、『卒業』だったんですね。(読書メーター
 首をふるピエロがあるのは「新学生街」。この作品の舞台は「旧学生街」。
 両者の位置関係は以下の通り。

 光平は通りを見下ろした。片側一車線の道路が南北に走っていて、北に真っすぐ行けば地元の大学にぶつかる。かつてはそこに、大学の正門があったのだ。今はない。今は正門の位置が、九十度東に移ったのだ。新しい学舎を建てるためのスペース上の問題と、そちらのほうが駅に近いというのが主な理由だった。(P14)

 大学の新しい正門と駅を結ぶ通りに様々な店が立ち並び、新学生街として盛り上がりはじめた頃には、旧学生街の半分の店が看板を下ろしていた。(P15)

 主人公の光平が通りを見下ろしているのは、喫茶店『青木』の3階のビリヤード場から(2階は雀荘)。
 旧学生街の人々が集まる場で、いかにも「旧」っぽいネーミングです。

 ネーミングで気になったのは、広美と純子が共同経営するバー『モルグ』。
 てっきりモルグ街の殺人絡みなのかと思ったのですが、特に言及なく・・・。
 何となくモルグの意味を調べたら、フランス語で死体安置所。モルグ街の殺人というタイトルも、それを意識していたというのを初めて知りました。以下は、Wikipediaより――。

ポーはもともとこの作品に「トリアノン街の殺人」というタイトルを予定していたが、より「死」のイメージに近づけるために死体安置所の意味がある「モルグ」に改題した。

 なぜ2人はこの名前を選んだのか、改めて気になってきました。
 何かを暗示させるような・・・というのは深読みし過ぎではないはず・・・。

 ほかに細かいところで気になったのは、光平が読んでいたクリスティの小説は何か? ということ。
 冴えない感じのキャラと思っていた光平が、こんな複雑な事件の真相に迫ることになるとは予想外。クリスティの賜物でしょうか。

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第一章 堕胎、ハスラー、そして殺人
第二章 妹、刑事、そして密室
第三章 クリスマス・ツリー、ブレイク・ショット、
    そしてレザー・ジャケットの男
第四章 謎解き、対決、そして逆転
第五章 霊園、教会、そしてサヨナラ
  解説 新保博久
   (1990年7月15日第1刷発行 2010年5月6日第62刷発行)
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