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zoom RSS 『将棋の子』 大崎善生 (講談社文庫)

<<   作成日時 : 2018/08/22 21:16   >>

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 きのうの『隠岐伝説殺人事件』の冒頭――。

   先週の帰省で実家の本棚から4冊持ってきました。

 正しくは5冊。この『将棋の子』を数えていませんでした。
 東京へ向かう新幹線で読み、帰宅してから一気に読了。
 一週間も経っていないのに、日常に紛れて(!?)忘れてしまうとは・・・。
 でも、心を動かされたことまで忘れてわけではありません。

   奨励会……。そこは将棋の天才少年たちがプロ棋士を目指して、しのぎを削る”トラの穴”だ。
   しかし大多数はわずか一手の差で、青春のすべてをかけた夢が叶わず退会していく。
   途方もない挫折の先に待ちかまえている厳しく非情な生活を、優しく温かく見守る感動の1冊。
   第23回講談社ノンフィクション賞受賞作


 プロローグは第18回三段リーグ。
 最終局、今泉三段に負けた中座三段が、四段昇段を果たした劇的な結末。
 今泉三段を破り、最終局に破れて昇段を逃した木村一基三段。
 この巡り合わせはどう表現したらよいのでしょうか。

 岡崎七段が四段に昇段した第13回三段リーグも詳しく書かれていました。
 ただ・・・。

 秋山は33人中4位という好位置で6勝3敗という好位置でまずまずのスタートを切った。10回戦の相手が下位で9勝1敗という好成績の岡崎だった。(P81)


 10回戦なら、岡崎三段は8勝1敗なのでは・・・というのが一つ目の疑問。
 この将棋は秋山三段に痛恨の一手があり、岡崎三段の逆転勝ち。

 その一手、その瞬間に秋山の9年間の奨励会生活が終わった。その日に秋山は事実上将棋をやめた。11勝1敗と6勝4敗では、どう星勘定しても追いつける見込みはなかったし、競争相手にあんな負け方をする自分に嫌気がさしたのだ。(P81-82)

 9勝1敗に1つ加えたなら、10勝1敗なのでは・・・?
 三段リーグは東西で対局日が違うこともあり、一時的に11勝1敗と6勝4敗の組み合わせるになることはありえますが、岡崎三段の11回戦・12回戦は関東の三段が相手。秋山三段も同様。
 また、リーグ戦の表を見ると、岡崎三段・秋山三段ともに10回戦の欄に相手の名前があります。
 なので、両者の対戦終了後は、9勝1敗と6勝4敗になるのが自然・・・。

 なぜ、こんなに詳しく書けるかというと、岡崎七段の昇段を祝う会の時の「Aさんが集めた資料」を借りたから。
 昔の将棋年鑑から岡崎七段が掲載された部分をコピーしたもので、三段リーグの表もありました。
 三段リーグだけでなく、奨励会員の一覧も・・・。

 本書の主人公である成田英二二段のほか、懐かしい名前がたくさん現れます。
 また、羽生竜王ほか、昭和57年入会組が圧倒的なスピードで昇級・昇段していく様子も分かります。
 本書には羽生善治6級が入会した直後の「奨励会のある一日を切り取った写真」の描写がありますが・・・。

 手元の写真に目をやると、そこにはさまざまな青年たちが映し出されていることに驚く、見るからに賢そうな顔をして、きらきらと眼鏡を光らせているいがぐり頭の小学生は羽生善治である。森内俊之(現名人)や森下卓(現八段)や、郷田真隆(現九段)、丸山忠久(現九段)の顔もある。小学生のくせに妙に大人びた薄笑いを浮かべているのは先崎学(現八段)だ。講師の話に、時間の無駄だと言わんばかりの顔をしている。(P49)

 先崎九段への先入観(笑)――。
 問題はそこではなく、丸山忠久九段の存在。
 羽生竜王と同年の丸山九段が奨励会に入ったのは、中学生名人戦に優勝してから・・・。
 小学生時代に「奨励会のある一日を切り取った写真」に納まることはないはず。。
 
 ・・・とあら捜しをしてしまいましたが・・・・。

 心を動かされたことに変わりはありません。

 将棋は厳しくない。
 本当は優しいものである。
 もちろん、制度は厳しくて、そして競争は激しい。しかし、結局のところ将棋は人間に何かを与え続けるだけで決して何も奪いはしない。
 それを教えるための、そのことを知るための奨励会であってほしいと私は願う。 (P326)


 あまりこのように考えたことはなかったですが・・・。
 賛同します。

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 プロローグ
 第一章 北へ       第二章 沈黙の海  第三章 夢への遡上
 第四章 吹きあれる風  第五章 月光     第六章 再会の日
 第七章 放浪       第八章 恋      第九章 勇気の駒
 エピローグ
    解説 森信雄
         (2003年5月15日第1刷発行 2003年5月30日第2刷発行)

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