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zoom RSS 『十三の墓標』 内田康夫 (双葉文庫)

<<   作成日時 : 2018/07/28 18:04   >>

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 先週、帰省した時、北上市の和泉式部墓に行って来たので、『十三の墓標』を持ち帰りました。
 タイトルだけでは分かりませんが、十三の墓標は和泉式部の墓標を示しています。
 ただ、明確に13なわけでなく、作中の登場人物の言葉を借りると、13は「地元の行政機関も力を入れているもの」の数。「かなりあやふやなものを入れれば二十幾つか、ひょっとすると三十以上あるかもしれません」となります。
 254ページから255ページには、13箇所の一覧が載っています。

画像

 本書に登場するのは、福島県石川町・佐賀県有明町・京都府宮津市、最後に長野県諏訪市。
 そして、岩手県も――と思ったら、北上市ではなく、宮古市!

 検索してみると、ミヤペディアの神歌碑のページに和泉式部は登場しますが、墓の話は・・・。
 伝説の域を出ない話は、あちこちにあるということですね。

この神歌による伝承に対して日本民俗学の先駆者・柳田国男はその著書『定本柳田国男全集第8巻』の「桃太郎の誕生・和泉式部の足袋」の項、「横山の禰宜」でゑのこ草の神歌にまつわる伝承で次のように触れている。

この記録は延享3年(1746)に土地の人が京都に持参し社格昇進の運動をした登録材料であった、それから15年後の宝暦10年(1760)江戸の学者・井上蘭臺がこれに基づいて『重修横山八幡宮記』を書き、更に50年後には駒井常爾という人が「山畑に…」の神歌を石に刻し、記念碑を建てた(旅と伝説2巻2号)。即ち由来は年久しいけれど根元は単なる歌の暗記に過ぎない

また、この項で柳田は横山の禰宜の先祖が猿丸太夫の子孫だったという言い伝えにも触れ、全国に散らばる小野小町に関係する小野氏、和泉式部の伝説も女性による「賢しい言葉」すなわち「歌」を中心とした流れがあることを示唆している。


 さらに謎なのは、十三の墓標から、犯人が現れそうな墓標を推察する場面の記述――。

 「京都の大津村はどうかな、いかにも交通が不便そうじゃないか(以下略)」

 京都の大津村? 先ほどの一覧では木津村でしたが・・・。
 Wikipediaを見ると、過去に京都府に大津村が存在したことはないので、正しくは木津村なのでしょう。
 ただ、これにも問題があり、木津村は「竹野郡網野町新設のため」1950年に廃止されています。
 本書の舞台となった昭和61〜62年に存在していたのは木津町だったはずですが・・・。

 ミステリーに直接関わらない部分のミステリーでした。。

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  プロローグ
 第一章 可愛いお荷物
 第二章 和泉式部伝説
 第三章 天橋立股のぞき
 第四章 余部大鉄橋
 第五章 和泉式部伝説再び
  エピローグ
     解説 郷原宏
     著者作品リスト
       (1989年6月15日第1刷発行)

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