『漂泊の楽人』 内田康夫 (講談社文庫)

 先月読んだ『城崎殺人事件』について、こんなことを書きました。

 ストーリーはすっかり忘れていましたが、ここで登場するのが「保全投資協会」。
 解説では、例の「投資ジャーナル」ではなくて「保全投資協会」の事件とありますが・・・。

保全投資協会は崩壊した。社長が報道陣の見守る中で、無残にも殺されるという、ショッキングな事件もあった。(P49)

 この一文からすると、「投資ジャーナル」ではなく、「豊田商事」のほうが近いような・・・。
 久しぶりに豊田商事会長刺殺事件の動画を(ついでに、杉山治夫のも・・・)見てしまいました。
 こんなのがオンエアされていたとは・・・。

 そんなわけで(!?)、次に帰省した時は「保全投資協会」が絡んでいる『漂泊の楽人』を持ち帰る予定です。


 ということで、引用長くなりましたが、『漂泊の楽人』
 実家にいるうちに読み終えたので、持ち帰る必要はなくなりました。。

 例によって、ストーリーをほぼ忘れていたので、新鮮に読めました。
 保全投資教会については、会長が出頭。側近は出てきますが、社長は登場しません。
 『城崎殺人事件』で書かれている刺殺事件も当然なし。
 おまけに、この出頭場面からすると、モデルはやはり投資ジャーナルなのでしょう。

「なるほど、髭がないと分かりませんか」
 右手で鼻から顎の下を覆うようにして、
「これならどうですか?」
 職員の前に顔を突き出した。そうやると、鼻下と顎にたっぷり髭を蓄えた、どことなく聖徳太子を少しふっくらさせたような、あのお馴染の顔が連想できる。(P95)


 それにしても、現実にあった事件からよくここまで背景を膨らませることが出来るものです。
 実際はそこまで深い因縁というか、濃密な人的つながりはなかったでしょうが、ひょっとして・・・と思わせるものがありました。

 ちなみに、月潟村は現在は新潟市南区。平成の大合併で消滅しました。
 また、妻有(つまり)は津南町の地名。
 津南町は昭和の大合併で出来ました。

「昭和二十一年というと、まだ町村合併以前のことですねえ。津南町は昭和三十年一月に下船渡、外丸、上郷、芦ヶ崎、秋成の五ヵ村が合併して生まれた町でして、その当時の書類は保管はしてあるにはありますが、そう簡単にお見せするわけにはいきません。そうでなくても、いまは戸籍の閲覧は禁じられておりますので」(P160)
 
 町役場の職員のセリフですが・・・中深見村が抜けています。
 作者の勘違いなのか、取材先でこんなところを言われたのか・・・。
 ちょっととした謎ではあります。

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プロローグ
第一章 駿河湾殺人事件
第二章 奇妙な盗難
第三章 月潟村異聞
第四章 越後妻有郷にて
第五章 五人の邪鬼
第六章 消えそこなった幽霊
エピローグ
   (1991年7月15日第1刷発行)

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