『民族と国家 ――イスラム史の視角から――』 山内昌之 (岩波新書)

 いつの頃からか、新書コーナーのけっこうなスペースを占めるようになった、地政学の本。
 目立つのは、池上彰と佐藤優で、2人の共著もあります。
 佐藤優は共著の数が多く、その中で見覚えがあったのが、山内昌之の名前。
 20年以上前の『民族と国家 ――イスラム史の視角から――』の著者でした。

 読んだのはかなり前なので、例によってほとんど忘れていましたが、あらためて読むと勉強になります。

   民族問題とは何か?
   解決への糸口はあるのか?


 帯にある二つのは20年経っても変わらず、今後もなくなることはないのでしょう。
 ただ、数百年の単位で見れば、民族と国家の関係が変わることはありうるかも・・・。
 オスマン帝国の意外に寛容だった面を読んで、そう思いました。
 まあ、数百年後、EUがどうなっているかという話はあります。

 キリスト教も分からないことが多いですが、イスラム教はもっと分からないことが多く・・・。
 独特の用語は何度読んでも頭に入りません。
 巻末の「主要用語一覧」で復習するしかないですね。。

--------------------------------------------------------
 はじめに
第一章 イメージとしての民族と国家――レコンキスタから冷戦終了まで
 1 湾岸戦争とボスニア=ヘルツェゴヴィナ内戦
 2 神話・象徴複合としての民族
 3 二つのナショナリズム
第二章 イスラム史のなかの民族――ムスリムと啓典の民
 1 イスラムにおける民族の系譜
 2 レンズを通して見た非イスラム世界
 3 ムスリム・キリスト教徒・ユダヤ教徒
 4 中東とヨーロッパのキリスト教
第三章 パックス・オットマニカ――ミッレト制による「諸民族の平和」
 1 オスマン帝国とアラブ独立王朝
 2 ボスニア=ヘルツェゴヴィナのイスラム化
 3 イスラム国家とヨーロッパ
 4 他民族と平和共存
第四章 愛国心か、ナショナリズムか――ムスリムの見た外国と異民族
 1 ヨーロッパのなかのイスラム
 2 国名のない国家
 3 フランス革命とオスマン帝国
第五章 ムハンマド対マルクス――資本主義・労働運動・民族問題
 1 クウェートとサウディ・アラビアの原型
 2 「アラブ国家」か、エジプト国家か
 3 民族問題と経済問題
 4 民族モザイクの変容
 5 バルカンの労働運動とアナトリアのアルメニア問題
第六章 「高貴な民」の目覚め――アラブ人とトルコ人
 1 ミッレトから民族へ
 2 「高貴な民」としてのアラブ
 3 イスラムから生まれたアラブ意識
 4 預言者の正系とアラビアのロレンス
 5 中央集権化と地方分権化
第七章 イスラム帝国の終焉――国民国家に向かって
 1 植民地分割か、国民国家の成立か
 2 エジプト・ナショナリズムの開花
 3 ムスリムからつくられたトルコ人
 4 イスラムと複合アイデンティティ
 5 ユーゴスラヴィアの「ムスリム人」
終章 民族と国家のリアリズム――構造と神話
 主要参考文献
 主要用語一覧
                   (1993年1月20日第1刷発行)

--------------------------------------------------------

 Wikipediaを見ると、著者と佐藤優の共著は以下の2冊。
 タイトルに共通するのは、「第三次世界大戦」と「地政学」――。

  『第3次世界大戦の罠 新たな国際秩序と地政学を読み解く』(徳間書店、2015年) 
  『新・地政学 「第三次世界大戦」を読み解く』(中公新書ラクレ、2016年)


 新書コーナーで見たのは、後者ですね。
 最近、書店で時間をつぶせていませんが、土曜日に探してみます。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック