『ローマ人の物語 10 ユリウス・カエサル ルビコン以前〔下〕』 塩野七生 (新潮文庫)

 今年に入ってから、『ローマ人の物語』を再読しています。
 一から読むのは2010年以来、6年ぶり。
 ざっくりと、1月・2月は月1冊、3月は半月で1冊、4月は週1冊のペース。
 そして、今月はここまで週2冊で、10巻に到達。
 6年前にアップし損ねたので、今さらのエントリーなのです。。

 世界史未履修なので(・・・というのは関係なく・・・)、内容をほとんど忘れていて、再読でも新鮮。
 将棋盤のたとえがあるのも、すっかり忘れていました。

 ユリウス・カエサルの頭の中には、『ガリア戦記』が地理上の記述ではじまっているのが象徴するように、当時知りうるかぎりの正確なガリアの地勢がインプットされていたのではないかと思う。中部ガリアという将棋盤を前に、相手の手を読む確かさは、彼に、持てる力の効率的な運用を可能にした。 (略)
 将棋盤の西側を、軍勢を率いてヴェルチンジェトリックスが南下すれば、盤の東側を、小数の騎兵のみを従えたカエサルが北上するという感じである。(P82-83)


 先手のカエサルが1、2筋を攻め、後手のヴェルチンジェトリックスが8、9筋を攻める――という感じ?!
 将棋へたとえている箇所がもう一つありました。

 ガリア戦役七年目にしてはじめて、カエサルは盤の向うに、自分と向い合う一人の敵をもつことになったのである。ほかは、すべて駒でしかなかった。ただし、将棋であろうがチェスであろうが、ゲームと戦争は根本的なところでちがう。ゲームでの駒は思いのままに動かせる木片にすぎないが、戦争での駒は、感情をもつ人間である。ゆえに、形に現われにくく数でも計りがたい要素を、考慮に入れなければ闘えない"ゲーム"なのだ。(P97)

 文庫の二冊(9巻・10巻)で、8年にわたるガリア戦役は終了。
 所々で岩波文庫の『ガリア戦記』に寄り道しましたが、古い文章なので、読むのが大変。。
 6年前にエントリーした9巻の記事では、次のように書きましたが、今回も迷いが・・・。

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 ガリア戦争の史料として第一級なのが、カエサル自身が書いた『ガリア戦記』。政治家、軍人だけでなく、文人としても超一流だったことは、(業績については意見が分かれても)後世の史家が認めるところだそうで、塩野七生は次の三語でまとめています。

   簡潔、明晰、洗練されたエレガンス。

 そこまで書かれると・・・。そんなわけで、前に第9巻を読んだ時に岩波文庫の『ガリア戦記』を買ったのですが、まったく手がついていません。文庫本の再読がすべて終わってから読むか、カエサルの部分だけ終わってから読むか、迷っています。。。

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 今のところ、カエサルの部分(11・12・13巻)だけ読み終わってから、岩波文庫に進む予定。
 現実逃避で、読みやすい『ローマ人の物語』を最後までいくと、永久に読まない可能性が高く・・・。
 20日までに13巻まで読み終え、下旬で岩波文庫の『ガリア戦記』――が予定です。
 どうなることやら・・・。

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カバーの銀貨について
第五章 壮年前期 Virilitas(承前) 紀元前六〇年~前四九年一月(カエサル四十-五十歳)
 ガリア戦役六年目(紀元前五三年)
   ライン再渡河  ガリアとゲルマンの比較論  クラッスス  パルティア遠征  首都の混迷
 ガリア戦役七年目(紀元前五二年)
   ヴェルチンジェトリックス  ガリア総決起  カエサル、撤退  アレシア攻防戦  『ガリア戦記』刊行
 ガリア戦役八年目(紀元前五一年)
   戦後処理(一)  戦後処理(二)
 ルビコン以前
   「カエサルの長い手」  護民官アントニウス  「元老院最終勧告」
   ルビコンを前にして  二人の男のドラマ  「賽は投げられた!」
                                      (平成16年9月1日発行)

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ガリアの諸部族の粘り強い抵抗に苦しみながらも、8年にわたる戦役を制し、ついにカエサルは悲願のガリア征服を成し遂げる。しかしその間、パルティアではローマ軍が敗北し、軍を率いていたクラッススが死亡。「三頭政治」の一角は崩れ、カエサル打倒を誓う「元老院派」はこの機に乗じてポンペイウスの取り込みを図る。新秩序樹立のためのカエサルの壮絶なる孤高の戦いが再びはじまる。

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