『物理と数学の不思議な関係 遠くて近い二つの「科学」』 マイケル・E・ラインズ 青木薫・訳

 『黄金比はすべてを美しくするか?』・『量子コンピュータとは何か』に続き、ハヤカワノンフィクション文庫の<数理を愉しむ>シリーズの3冊目。
 『物理と数学の不思議な関係 遠くて近い二つの「科学」』というタイトルで、訳者が青木薫。
 これは読まないわけにはいきません。

 でも、これはちょっと・・・。
 訳の誤りなのか、原文の誤りなのか・・・。

 今日みんなが記憶しているニュートンの第二法則を最初にあの形式に書いたのは(つまり「力は質量×速度だ」と書いたのは)、オイラーなのだ。(P450)

 質量×速度で定義されるのは、運動量。力は質量×加速度、ですね。
 実際、この前の部分では、そのように書かれています。

 物体に力が作用しているなら、物体の運動量(「質量×速度」で定義される)の変化率は、物体に作用している力に等しい。(P443)

 以上で、ツッコミ終了――。
 というか、ツッコミを入れられるほど、理解出来る部分が多くなくて・・・。

 前の二冊に比べると450ページ以上と分量が多く、式がたくさん登場。フーリエ変換、スターリングの公式、ラグランジアン、ハミルトニアン、シュレーディンガーの波動方程式、などなど。
 ほとんどの式を飛ばし読みし、とりあえず最後までたどり着きましたが、やはりある程度は式を理解しないと、「数理を愉しむ」には程遠いんでしょうね。。

 この本の原題は『On the Shoulders of Giants』。解説にあるように「数学という巨人の肩に乗った物理学」というのが趣旨です。タイトル通り、それぞれの章で描かれている「物理と数学の不思議な関係」は興味深いものがありました。
 また、いまさらですが、物理学・数学の各分野が(前時代の巨人の肩に乗って)それぞれどのように発展してきたのか、その関連性が整理されている点も勉強になりました。

 再読したい本のリストに加わりましたが、また数式を飛ばすのでは面白くありません。
 少し数学の復習をしないと・・・。
 もっと勉強しておけばよかった、とあらためて思います。。

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第1章 数学――宇宙の姿を映す鏡
     物理と数学の不思議な関係
第2章 自然は隙間を嫌うか
     アリストテレスからガラスの構造まで
第3章 時空を支配する幾何学の正体
     ユークリッドから一般相対性理論まで
第4章 実用主義の絶大な威力
     弦の爪弾きから固体中の電子まで
第5章 a×bがb×aでなくなるとき
     整数から四元数まで
第6章 準周期的という絶妙な配列パターン
     タイトル張りから準結晶まで
第7章 方程式は簡単、解は複雑
     ニュートンから量子カオスまで
第8章 絶対約に立ちそうにない理論の効用
     ガロアからスーパーストリングまで
第9章 ミクロとマクロをつなぐ架け橋
     コイン投げからエントロピーまで
第10章 イボイノシシの赤ん坊は二重らせんの夢を見るか
     ケーニヒスベルクの橋からポリマーまで
第11章 幾何学は自然を模倣できるか
     放物線からフラクトンまで
第12章 一点における速度の深遠な意味
     ゼノンからシュレーディンガーまで
  訳者あとがき  解説/米沢富美子  写真提供  付録
      (ハヤカワ・ノンフィクション文庫 2004年12月31日発行 2012年11月25日3刷)

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