*** 福岡市で南岸低気圧によって積雪するのは、どのくらい珍しいのか? ***
以下は、先月末の西日本新聞の記事からの引用。
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雪の残る朝 交通に乱れ 福岡県内 2012年2月29日 14:00
29日朝の福岡県は晴れ間が広がったものの、前夜からの雪が残り冷え込んだ。高速道路の通行止め8件や列車の運休など交通の乱れも続いた。
福岡管区気象台によると、九州の南海上を通過した低気圧の影響で県内は28日夜から断続的に雪が降り、飯塚市では29日午前6時に4センチ、福岡市では同9時に2センチを観測した。内陸部を中心に冷え込み、最低気温は添田町氷点下0・2度、飯塚市同0・1度、福岡市0・4度-など多くの観測地点で平年を2-4度下回った。日が昇ると気温は上昇し、正午には福岡市で9・5度になった。
積雪のため、九州8 件自動車道や福岡都市高速の一部区間が一時通行止め8 件になった。JR筑豊線では木や竹が線路に倒れかかり、一部区間が始発から運休した。
気象台によると、3月の初めはぐずついた天気が続くが、平年並みの気温となり寒さは和らいでいくという。
=2012/02/29付 西日本新聞夕刊=
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記事では福岡の積雪は2cmとなっていますが、29日0時と1時には3cmを記録しました。
28日の福岡の気温は15時が7.8度、18時が5度と高く、まさか積雪するとは・・・という感じ。
しかも、南岸低気圧で・・・。
九州北部が南岸低気圧で大雪になった事例は、ちょっと記憶にありません。
別の記事で質問がありましたので、ちょっとだけ(?)調べてみました。
対象としたのは、福岡で1cm以上の降雪が記録されている事例。
積雪が1cm以上でも、降雪がゼロなのは除外しました。
以下、日付のリンク先は気象庁HPで1時間ごとの実況です。
(20000文字の制限があるため、リンクは一部省略しています)
2012年の実況天気図は、北海道放送のHPから引用しました。
まずは、28日夜間。上述の通り、南岸低気圧で3cmの積雪を記録しました。
●2012/2/28
<2012年2月28日21時 地上実況天気図> 3cm
今シーズン、福岡で1cm以上の降雪があったのは、このほかに3回。
いずれも西高東低の形で、南岸低気圧は絡みません。
2/2はいかにも、という感じ。2/18~19は等圧線の間隔は開いていますが、天気図には表現できない下層シアがあったのだと思います。
●2012/2/19
<2012年2月19日9時 地上実況天気図> 1cm
●2012/2/18 5cm
<2012年2月18日18時 地上実況天気図>
●2012/2/2 2cm
<2012年2月2日6時 地上実況天気図>
ここから時間をさかのぼっていきますが、北海道放送のHPから実況天気図を取り出せないので、NCEP再解析データから作成した天気図で代用します。
2010-2011の冬は2010年12月26日の1事例だけ。
西高東低というのは厳しいですが、少なくとも南岸低気圧ではありません。
●2010/12/26 1cm
<2010年12月26日21時 地上解析図>
2009-2010の冬も1cm以上の降雪は1事例だけ。
1月13日。強い冬型です。
●2010/1/13 2cm
<2010年1月13日3時 地上解析図>
2008-2009年の冬も1事例だけ。
西高東低というか、南高北低というか・・・。地上天気図だけでは6cm降るようには見えませんね。
●2009/1/24 6cm
<2009年1月24日21時 地上解析図>
ここから3シーズンは1cm以上の降雪がなく、次は2004-2005の2事例。
2005年3月6日3時の解析天気図を見ると、四国~紀伊半島の南に低気圧がありますが、福岡で降雪があったのは明け方で、すでに低気圧の後面。南岸低気圧そのものの降雪とは言いがたく、後ろにのびた下層シアによる降雪だったと推測されます。
●2005/3/6 4cm
<2005年3月6日3時 地上解析図>
2004年12月31日。これは問題なし。ついに南岸低気圧が現われました!
・・・ということで、今回の福岡の積雪は、南岸低気圧としては7年2ヵ月ぶりになると思います。
(あくまでも、気象台のある地点で・・・ということになりますが・・・)
●2004/12/31 2cm
<2004年12月31日3時 地上解析図>
ここで終わってもよいのですが、2004年12月31日の降雪は2cmだったので、今回の3cmを超える雪はいつ以来か? ・・・ということで、もう少しだけ(?)さかのぼります。
2003-2004年は2事例ありました。
2004年1月25日は強い冬型。
2004年1月21日は本州付近が深い気圧の谷の中。日本海だけでなく、南岸にも低気圧があったかもしれません。ただ、降雪のタイミングからすると、福岡の雪に南岸の擾乱は関係なく、日本海から南下するシアが影響していたと思われます。
●2004/1/25 1cm
<2004年1月25日9時 地上解析図>
●2004/1/21 2cm
<2004年1月21日15時 地上解析図>
2002-2003の冬も2事例ありました。
1月29日も1月5日も、オホーツク海には猛烈に発達した低気圧があり、日本付近は等圧線が縦縞で混みあっている点がよく似ています(等圧線は4hPaごとでなく、2.5hPaごとなので、ふつうの天気図より混みあっているのは当然なのですが・・・)。
●2003/1/29 1cm
<2003年1月29日9時 地上解析図>
●2003/1/5 1cm
<2003年1月5日3時 地上解析図>
2001-2002の冬は1cm以上の降雪がなく、次は2000-2001の冬で1事例だけ。
これも等圧線が縦縞模様の強い冬型です。
●2001/1/15
<2001年1月15日15時 地上解析図> 5cm
1999-2000の冬は1cm以上の降雪がなく、次は1998-1999の冬で1事例だけ。
1999年2月4日も等圧線が縦縞模様ですが、日本海西部で等圧線が袋状になっています。降雪量は10cm!・・・ですが、最深積雪は15cm(4日12時)。メソ擾乱が絡む短時間強雪があったのだと思います。
●1999/2/4
<1999年2月4日9時 地上解析図> 10cm
1997-1998の冬は1cm以上の降雪がなく、次は1996-1997の冬で1事例だけ。
日本海中部~西部の等圧線が気になる形で、下層シア南下による降雪と考えられます。
●1997/1/21
<1997年1月21日3時 地上解析図> 3cm
1995-1996の冬は1cm以上の降雪がなく、次は1994-1995の冬で1事例・・・ではなく、3事例ありました。
1995年3月4日と2月1日の事例は低気圧が発達しながら東へ抜けた後、冬型の寒気移流による雪。
1月28日はやけに等圧線の間隔が開いていますが、日本海中部に低気圧があったようです。低気圧の直接の影響はなくても、下層シアの影響を受けていた可能性があります。
●1995/3/4 3cm
<1995年3月4日21時 地上解析図>
●1995/2/1 2cm
<1995年2月1日9時 地上解析図>
●1995/1/28 1cm
<1995年1月28日9時 地上解析図>
ここから4シーズンは1cm以上の降雪がなく、次は1989-1990の2事例。
1990年1月24日は6時から9時の3時間で、積雪深が11cm(!)に増えています。
地上解析図だけからでは分かりませんが、メソ擾乱か強いシアが絡んでいたものと考えられます。
●1990/1/24 15cm
<1990年1月24日9時 地上解析図>
1988-1989の冬は1cm以上の降雪がなく・・・。
福岡市で南岸低気圧による3cm以上の降雪を求め、とうとう昭和に突入です。。
1986-1987の冬は1cm以上の降雪が4事例ありました。
1987年3月2日と1月26日は西高東低の冬型、2月3日と1月13日は(おそらく)寒冷渦に対応した低気圧、ということで、かなり荒れそうな形。でも、目的の南岸低気圧はまだ現われません。。
●1987/3/2 10cm
<1987年3月2日3時 地上解析図>
●1987/2/3 2cm
<1987年2月3日9時 地上解析図>
●1987/1/26 1cm
<1987年1月25日21時 地上解析図>
(降雪1cmが記録されているのは26日ですが、降水のピークにあわせ、25日21時の天気図を表示)
●1987/1/13 1cm
<1987年1月13日3時 地上解析図>
1985-1986の冬は3事例。
1986年2月24日と1月4日は冬型に移行する途中、1985年12月17日は冬型――。
いずれも南岸低気圧は登場しません。
●1986/2/24 3cm
<1986年2月24日9時 地上解析図>
●1986/1/4 1cm
<1986年1月4日21時 地上解析図>
●1985/12/17
<1985年12月17日9時> 1cm
1984-1985の冬は1事例。冬型です・・・。
●1985/1/29 2cm
<1985年1月29日21時 地上解析図>
1983-1984の冬は、1cm以上の降雪が4事例ありました。
まずは、1984年2月29日は冬型――。
●1984/2/29 6cm
<1984年2月29日9時 地上解析図>
そして、1984年1月31日。ついに、南岸低気圧が現われました。降雪量は8cm!
今回の福岡の降雪量3cmは、南岸低気圧としてはこの時以来の多さということになるわけです。
●1984/1/31
<1984年1月31日3時 地上解析図> 8cm
目的は達しましたが、次の事例を見ると・・・またもや南岸低気圧!
降雪量は18日・19日ともに5cmで、最深積雪は9cm!
どうやら、南岸低気圧の当たり年だったようです。
●1984/1/19 5cm
●1984/1/18 5cm
<1984年1月19日3時 地上解析図>
残る1事例は1983年12月31日。
低気圧が東へ抜けた後の寒気移流の場。下層シアが絡んでいたかもしれません。
●1983/12/31 1cm
<1983年12月31日9時 地上解析図>
以上より、福岡市で南岸低気圧による1cm以上の降雪(≒積雪)はかなり稀なことが分かりました。
ただし、これは福岡市、しかも気象台のあるエリアに限った話で、ほかの都市はどうなのか? 福岡市で積雪レベルにいたるにはどのような条件が必要なのか? などについては、今後の課題です。
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雪の残る朝 交通に乱れ 福岡県内 2012年2月29日 14:00
29日朝の福岡県は晴れ間が広がったものの、前夜からの雪が残り冷え込んだ。高速道路の通行止め8件や列車の運休など交通の乱れも続いた。
福岡管区気象台によると、九州の南海上を通過した低気圧の影響で県内は28日夜から断続的に雪が降り、飯塚市では29日午前6時に4センチ、福岡市では同9時に2センチを観測した。内陸部を中心に冷え込み、最低気温は添田町氷点下0・2度、飯塚市同0・1度、福岡市0・4度-など多くの観測地点で平年を2-4度下回った。日が昇ると気温は上昇し、正午には福岡市で9・5度になった。
積雪のため、九州8 件自動車道や福岡都市高速の一部区間が一時通行止め8 件になった。JR筑豊線では木や竹が線路に倒れかかり、一部区間が始発から運休した。
気象台によると、3月の初めはぐずついた天気が続くが、平年並みの気温となり寒さは和らいでいくという。
=2012/02/29付 西日本新聞夕刊=
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記事では福岡の積雪は2cmとなっていますが、29日0時と1時には3cmを記録しました。
28日の福岡の気温は15時が7.8度、18時が5度と高く、まさか積雪するとは・・・という感じ。
しかも、南岸低気圧で・・・。
九州北部が南岸低気圧で大雪になった事例は、ちょっと記憶にありません。
別の記事で質問がありましたので、ちょっとだけ(?)調べてみました。
対象としたのは、福岡で1cm以上の降雪が記録されている事例。
積雪が1cm以上でも、降雪がゼロなのは除外しました。
以下、日付のリンク先は気象庁HPで1時間ごとの実況です。
(20000文字の制限があるため、リンクは一部省略しています)
2012年の実況天気図は、北海道放送のHPから引用しました。
まずは、28日夜間。上述の通り、南岸低気圧で3cmの積雪を記録しました。
●2012/2/28
<2012年2月28日21時 地上実況天気図> 3cm
今シーズン、福岡で1cm以上の降雪があったのは、このほかに3回。
いずれも西高東低の形で、南岸低気圧は絡みません。
2/2はいかにも、という感じ。2/18~19は等圧線の間隔は開いていますが、天気図には表現できない下層シアがあったのだと思います。
●2012/2/19
<2012年2月19日9時 地上実況天気図> 1cm
●2012/2/18 5cm
<2012年2月18日18時 地上実況天気図>
●2012/2/2 2cm
<2012年2月2日6時 地上実況天気図>
ここから時間をさかのぼっていきますが、北海道放送のHPから実況天気図を取り出せないので、NCEP再解析データから作成した天気図で代用します。
2010-2011の冬は2010年12月26日の1事例だけ。
西高東低というのは厳しいですが、少なくとも南岸低気圧ではありません。
●2010/12/26 1cm
<2010年12月26日21時 地上解析図>
2009-2010の冬も1cm以上の降雪は1事例だけ。
1月13日。強い冬型です。
●2010/1/13 2cm
<2010年1月13日3時 地上解析図>
2008-2009年の冬も1事例だけ。
西高東低というか、南高北低というか・・・。地上天気図だけでは6cm降るようには見えませんね。
●2009/1/24 6cm
<2009年1月24日21時 地上解析図>
ここから3シーズンは1cm以上の降雪がなく、次は2004-2005の2事例。
2005年3月6日3時の解析天気図を見ると、四国~紀伊半島の南に低気圧がありますが、福岡で降雪があったのは明け方で、すでに低気圧の後面。南岸低気圧そのものの降雪とは言いがたく、後ろにのびた下層シアによる降雪だったと推測されます。
●2005/3/6 4cm
<2005年3月6日3時 地上解析図>
2004年12月31日。これは問題なし。ついに南岸低気圧が現われました!
・・・ということで、今回の福岡の積雪は、南岸低気圧としては7年2ヵ月ぶりになると思います。
(あくまでも、気象台のある地点で・・・ということになりますが・・・)
●2004/12/31 2cm
<2004年12月31日3時 地上解析図>
ここで終わってもよいのですが、2004年12月31日の降雪は2cmだったので、今回の3cmを超える雪はいつ以来か? ・・・ということで、もう少しだけ(?)さかのぼります。
2003-2004年は2事例ありました。
2004年1月25日は強い冬型。
2004年1月21日は本州付近が深い気圧の谷の中。日本海だけでなく、南岸にも低気圧があったかもしれません。ただ、降雪のタイミングからすると、福岡の雪に南岸の擾乱は関係なく、日本海から南下するシアが影響していたと思われます。
●2004/1/25 1cm
<2004年1月25日9時 地上解析図>
●2004/1/21 2cm
<2004年1月21日15時 地上解析図>
2002-2003の冬も2事例ありました。
1月29日も1月5日も、オホーツク海には猛烈に発達した低気圧があり、日本付近は等圧線が縦縞で混みあっている点がよく似ています(等圧線は4hPaごとでなく、2.5hPaごとなので、ふつうの天気図より混みあっているのは当然なのですが・・・)。
●2003/1/29 1cm
<2003年1月29日9時 地上解析図>
●2003/1/5 1cm
<2003年1月5日3時 地上解析図>
2001-2002の冬は1cm以上の降雪がなく、次は2000-2001の冬で1事例だけ。
これも等圧線が縦縞模様の強い冬型です。
●2001/1/15
<2001年1月15日15時 地上解析図> 5cm
1999-2000の冬は1cm以上の降雪がなく、次は1998-1999の冬で1事例だけ。
1999年2月4日も等圧線が縦縞模様ですが、日本海西部で等圧線が袋状になっています。降雪量は10cm!・・・ですが、最深積雪は15cm(4日12時)。メソ擾乱が絡む短時間強雪があったのだと思います。
●1999/2/4
<1999年2月4日9時 地上解析図> 10cm
1997-1998の冬は1cm以上の降雪がなく、次は1996-1997の冬で1事例だけ。
日本海中部~西部の等圧線が気になる形で、下層シア南下による降雪と考えられます。
●1997/1/21
<1997年1月21日3時 地上解析図> 3cm
1995-1996の冬は1cm以上の降雪がなく、次は1994-1995の冬で1事例・・・ではなく、3事例ありました。
1995年3月4日と2月1日の事例は低気圧が発達しながら東へ抜けた後、冬型の寒気移流による雪。
1月28日はやけに等圧線の間隔が開いていますが、日本海中部に低気圧があったようです。低気圧の直接の影響はなくても、下層シアの影響を受けていた可能性があります。
●1995/3/4 3cm
<1995年3月4日21時 地上解析図>
●1995/2/1 2cm
<1995年2月1日9時 地上解析図>
●1995/1/28 1cm
<1995年1月28日9時 地上解析図>
ここから4シーズンは1cm以上の降雪がなく、次は1989-1990の2事例。
1990年1月24日は6時から9時の3時間で、積雪深が11cm(!)に増えています。
地上解析図だけからでは分かりませんが、メソ擾乱か強いシアが絡んでいたものと考えられます。
●1990/1/24 15cm
<1990年1月24日9時 地上解析図>
1988-1989の冬は1cm以上の降雪がなく・・・。
福岡市で南岸低気圧による3cm以上の降雪を求め、とうとう昭和に突入です。。
1986-1987の冬は1cm以上の降雪が4事例ありました。
1987年3月2日と1月26日は西高東低の冬型、2月3日と1月13日は(おそらく)寒冷渦に対応した低気圧、ということで、かなり荒れそうな形。でも、目的の南岸低気圧はまだ現われません。。
●1987/3/2 10cm
<1987年3月2日3時 地上解析図>
●1987/2/3 2cm
<1987年2月3日9時 地上解析図>
●1987/1/26 1cm
<1987年1月25日21時 地上解析図>
(降雪1cmが記録されているのは26日ですが、降水のピークにあわせ、25日21時の天気図を表示)
●1987/1/13 1cm
<1987年1月13日3時 地上解析図>
1985-1986の冬は3事例。
1986年2月24日と1月4日は冬型に移行する途中、1985年12月17日は冬型――。
いずれも南岸低気圧は登場しません。
●1986/2/24 3cm
<1986年2月24日9時 地上解析図>
●1986/1/4 1cm
<1986年1月4日21時 地上解析図>
●1985/12/17
<1985年12月17日9時> 1cm
1984-1985の冬は1事例。冬型です・・・。
●1985/1/29 2cm
<1985年1月29日21時 地上解析図>
1983-1984の冬は、1cm以上の降雪が4事例ありました。
まずは、1984年2月29日は冬型――。
●1984/2/29 6cm
<1984年2月29日9時 地上解析図>
そして、1984年1月31日。ついに、南岸低気圧が現われました。降雪量は8cm!
今回の福岡の降雪量3cmは、南岸低気圧としてはこの時以来の多さということになるわけです。
●1984/1/31
<1984年1月31日3時 地上解析図> 8cm
目的は達しましたが、次の事例を見ると・・・またもや南岸低気圧!
降雪量は18日・19日ともに5cmで、最深積雪は9cm!
どうやら、南岸低気圧の当たり年だったようです。
●1984/1/19 5cm
●1984/1/18 5cm
<1984年1月19日3時 地上解析図>
残る1事例は1983年12月31日。
低気圧が東へ抜けた後の寒気移流の場。下層シアが絡んでいたかもしれません。
●1983/12/31 1cm
<1983年12月31日9時 地上解析図>
以上より、福岡市で南岸低気圧による1cm以上の降雪(≒積雪)はかなり稀なことが分かりました。
ただし、これは福岡市、しかも気象台のあるエリアに限った話で、ほかの都市はどうなのか? 福岡市で積雪レベルにいたるにはどのような条件が必要なのか? などについては、今後の課題です。
この記事へのコメント
やはり、今回の南岸低気圧は稀な出来事だったんですね。
25年確率を引いてしまうとは…
次に生かせることができるかどうかは、
難しいところですね。
「持ってる人」ということで前向きに・・・
何しろ事例が少ないので、
「南岸低気圧による福岡の積雪」には難しいかもしれませんが、
ほかの顕著事例に遭遇した時に、間接的な形で活きると思います。