*** 六甲おろし・・・!? (5/29) ***

 日曜日は台風2号の影響で、交通機関にも大きな影響が出ました。
 以下は、レスキューナウの記事・「台風2号は温帯低気圧に 西日本・東日本の各地で暴風雨(05/28~)【第6報】」からの引用です。

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■交通機関への影響
【鉄道】[30日23:00現在]
<運転見合わせ>
・小浜線(東舞鶴~小浜)

・29日は、日豊本線、予讃線、土讃線、山陰本線、きのくに線など九州南部・中国・四国・近畿地方の沿岸部の路線を中心に、大雨や強風により終日ダイヤが乱れた。 また、山陽新幹線は、29日夕方から夜にかけて、兵庫県内での強風の影響で速度規制を実施、直通運転を行っている東海道新幹線・九州新幹線にも最大20分程度の遅れが出た。

【道路】[30日22:30現在、JARTIC]
<高速道路通行止め>
・なし

【航空】[30日23:00現在]
・30日は、現在までに羽田空港発着の38便が欠航となっている。
・29日(日)は、羽田空港発着便は台風の影響などで66便が欠航、8便が1時間以上の遅れ

【水運】
・29日、30日は、各港湾フェリー等で欠航便が相次いだ。

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 六甲おろし・・・のタイトルから分かるように、ここで注目するのは

   29日夕方から夜にかけて、兵庫県内での強風の影響で速度規制を実施

の部分。速度規制が実施されたのは、16時頃~19時頃だったようです。

 この時間帯、台風2号から変わった温帯低気圧が四国沖から紀伊半島付近を通過していました。
 等圧線の間隔も狭く、いかにも強風が吹きそうなパターンです。

 ●地上実況天気図       左:5月29日15時    右:5月29日21時

 19時のアメダスを見ると、広戸風が吹き荒れていた岡山県・奈義の25メートルは別格として、兵庫県内も平均で10~15メートル前後の強風が吹いていたことが分かります。
 神戸周辺で特に北よりの風が強まったのは、六甲山系から吹き下ろす効果が加わったためと考えられます。

 ●アメダス・風(5月29日19時)
画像

 ・・・とここまでは普通の話(?)なのですが、上の図をよく見ると、普通では考えられない分布が・・・。
 神戸の南隣の神戸空港、風向が南なのです。
 神戸の北北西・15メートルに対し、神戸空港は南・8メートル。
 これだけの近距離で、風向が真逆とは・・・。

 しかも、この風向が真逆な状態、1時間以上も続いていました。
 そして、あれだけ北風が強かった神戸までが南風に・・・。

 神戸と神戸空港の17時から20時までの風向・風速の実況は下の通り。

画像

 神戸では16時頃から最大瞬間風速が20m/sを超過し、18:30頃、最大瞬間風速31.1m/sを観測(風向・北)。その後、19:20頃から風向が南よりに変わり、19:40頃、最大瞬間風速14.7m/sを観測しました(風向・南南東)。
              ・10分ごとの実況値(気象庁HP)

 一方、神戸空港では、12時前に最大瞬間風速16.5m/sを観測したものの、午後の風速は神戸より弱く、最大瞬間風速は20m/sを超えませんでした。17:50頃からは風向が南よりに変わり、19:10頃、最大瞬間風速14.4m/sを観測(風向・南)しています。
              ・10分ごとの実況値(気象庁HP)

 山陽新幹線の速度規制が解除されたのは、北よりの暴風が収まったからと思っていたのですが、それだけでなく、風向まで南よりに変わっていたとは、驚きました。
 南岸に発達した低気圧があるにも関わらず、それに逆らって南風とは・・・。

 以下の記述は、神戸周辺の気圧の変化傾向からの推察です。
 
 表は神戸周辺の地上気象観測の気圧を並べたもので、選んだのは神戸のほか、豊岡・舞鶴・姫路・大阪・京都・奈良・徳島・洲本・和歌山・室戸岬・潮岬の計12地点。
 ベージュ色になっているのは、同じ時刻で、12地点中、もっとも気圧が低い地点です。

画像

 台風、および台風から変わったの温帯低気圧は南岸を進んだので、室戸岬→潮岬の気圧がもっとも低いのは当然として、目をひくのは17時から19時は神戸、24時は京都の気圧がもっとも低くなっている点です(・・・あくまでも、12地点の中で、です。24時は京都より尾鷲の気圧のほうが低くなっています・・・)。
 もちろん、17時から19時でも、室戸岬と潮岬の間で、神戸より気圧の低い地点はあったはずですが、それでも神戸より南に位置する洲本や和歌山より気圧が低かった事実は動きません。
 上の表の気圧の変化は、南岸を進む低気圧とは別に、夕方頃から神戸周辺に(総観場の天気図では表現されない)別の低圧部が形成されていたことを示しています。上空には寒冷渦が進んできていたので、この東進とともに低圧部は不明瞭ながらも東へ移動し、夜遅くには京都方面へ達したものと考えられます。

 神戸・神戸空港の風向変化はかなり極端なものですが、兵庫県南部のそのほかの地点の風向も、21時頃までに西よりに変わり、弱まったところが多くなっています。これは、気圧傾度が小さくなったことに加え、山から吹き下ろす風向でなくなったことが関連しているのでしょう。
 ただし、神戸空港と神戸の風向変化については、よく分かりません。神戸の気圧が洲本や和歌山より明瞭に低くなったのは16時頃からで、ここだけ切り取ると、南風が吹いてもおかしくありません。一方で、日本海側との気圧差はさらに大きく、10hPa前後あり、北風が強まるのが当然に思えます。
 タイミングにずれはあるものの、神戸空港も神戸も風向は連続的でなく、かなり急激に変化しました。いったい何がきっかけになったのか・・・? これはよく分かりません。
 類似事例に期待(?!)したいところですが、さすがにこれはないでしょうね。

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この記事へのコメント

navarea11
2011年06月04日 11:28
神戸の風向急変は確かに変ですね。と言いたかったのですが、どうも風向変動が顕著だったようです。もう一つは、近隣にある関西国際空港。ここもまた荒れていました。
航空実況で追跡した結果ですが、どうも神戸の風向急変には大阪湾と、南から入ってきた不連続線(シアーラインと言うよりは前線でしょう)による気温低下が南風で発生しているので、小低気圧ではありませんがあったと考えられます。
航空実況で使われる気圧の値は、厳密には違うので比較することはできませんが無視した場合、大阪湾付近の気圧が低いのは事実で、990hPa前後になります。
たかはし
2011年06月05日 09:04
関空島のアメダスを見ると、18:30まで概ね北東だった風向が
東北東→東へ変わり、19:50~20:20は南よりに変化。
さらに、20:30には西、20:40~23時過ぎは西北西と
北成分を持つようになりました。
この風向の変わり方からも、台風から変わった低気圧とは別に
関空島の北を何かが通過したと考えられますね。
navarea11
2011年06月06日 00:04
大阪湾に風向急変を起こす要因があったのは確かですね。
衛星で見ていると、台風の渦は可視では識別できるものの、赤外ではかなり識別しにくい、下層の渦であったようです。
空港の気圧高度計規制値であるとはいえ、海面気圧との違いを念頭に入れても、かなり変な変化があったのは確かです。追ってデータ送ります。

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