*** キロクアメ ムロラン (10/15) ***

 きのう(20日)はキロクアメ ナゼの記事を書きましたが、その前のキロクアメキロクアメ ムロラン
 入電したのは先週金曜日(15日)。
 前日夕方のブリーフィングでは、これほどの強雨をまったく示唆していませんでした。

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胆振地方記録的短時間大雨情報 第1号

平成22年10月15日16時25分 室蘭地方気象台発表

 16時北海道で記録的短時間大雨
 登別市付近で約90ミリ

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 胆振中部では短時間強雨とともに、総降水量もまとまりました。
 室蘭地方気象台からは18日に「気象速報」が発表されています。 

   → 平成22 年10 月15 日から16 日の胆振地方の大雨について

 この冒頭にある「概要」には次のように書かれています。

 日本海中部に低気圧があって、15 日から16 日にかけ北海道付近をゆっくりと通過した。この影響で胆振地方では、南から暖かく湿った空気が入り、大気の状態が非常に不安定となり、登別市カルルス130.0 ミリ、白老町森野122.0 ミリ、登別市札内町103.0 ミリを観測する大雨になった。

 カルルス・森野・登別はアメダス地点。南東風による強雨の常連です。



 下は周辺を含めた総降水量の図で、「気象速報」から転載したものです。

 ●10月15日08 時~16 日09 時までの降水量の合計


 胆振中部の中でも、登別付近~支笏湖方面に100ミリ以上のエリアが広がっています。
 南東から湿った空気が入る時に現れる分布です。
 地形図と比較すると、雨量が多いエリアは南東に開けた斜面に重なっていることが分かります。

画像

 下は白老と苫小牧の降水量・風・気温の変化を並べたものです。
 白老・苫小牧のアメダスは標高6mの所にあるのに対し、100ミリ以上の雨量を観測したカルルス・森野・登別の標高は200~300m。地形的な条件ははっきり違います。

 まず、降水量のグラフを見ると、13~15時と21時にピークがあるのが分かります。
 ピーク時の雨量は10~20ミリ前後。カルルス・森野・登別は50ミリ前後でした。

画像

 前半のピークで特徴的なのは、風向・風速の急激な変化です。
 弱い北よりの風から、南東に変わって10m/s前後と強い状態が続きました。

画像

 南東風の吹き出しとともに、気温も急上昇。1時間に3度以上も上がりました。

画像


 下のリンクは11時から22時までのレーダーエコー図です。 (→ こちら

 特徴的なのは、南西から北東にのびる形のエコーで、13時と15時のエコーは海岸線に沿う形ですが、そのほかの時間帯(14時と16~18時)は概ね登別~支笏湖方面、南東斜面に張り付く形になっています。
 これは(13時は別として)南東風が斜面を上昇することにより、雨雲が強まっていたことを示していて、このために山沿いのエリアで強雨・大雨となったのでしょう。
 一方、海岸線に近い白老~苫小牧は一時的に強い雨雲がかかっても、直上で上昇流が強まって雨雲が発達するような場でなかったため、比較的雨量が少なかったと考えられます。仮に南東風がここまで強まらなかった場合、地形上昇というより、内陸からの冷気の上に南東風が乗り上げる形になるので、沿岸部・平野部での強雨となったことでしょう。
 15日の場合、日中だったこともありますし、(時期が時期だけに)冷気がそこまで強くなかったので、南東風が中まですんなり入りました。ただし、季節が進むと・・・。
 南東風が入るかどうかで、気温が大違い。苫小牧~登別方面の降水相判定が微妙な時期は、確実に近づいています・・・というか、急すぎませんか? 来週前半は大変そうです。。。

 ところで、このキロクアメ ムロランが発表される5時間ほど前の府県情報・・・。

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雷と突風に関する胆振・日高地方気象情報 第1号

平成22年10月15日11時02分 室蘭地方気象台発表

(見出し)
胆振・日高地方では、15日夕方から16日朝まで竜巻などの激しい突風の発生するおそれがありますので注意して下さい。また、落雷やひょう、急な強い雨にも注意が必要です。

(本文)
この情報は胆振・日高地方全域が対象です。 

<防災事項>
注意を要する地域、災害、期間
 胆振・日高地方 竜巻などの激しい突風、落雷、ひょう
               15日夕方から16日朝まで
   
<概況>
 気圧の谷が15日夜から16日朝にかけて北海道を通過する見込みです。このため、北海道付近には15日昼過ぎから16日朝にかけて南から暖かく湿った空気が入り、大気の状態が非常に不安定となるでしょう。

 胆振・日高地方気象情報は、これで終了します。

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 注意を呼びかけるのはよいのですが、いきなり終了しないでくださいよ。
 まだ始まってもないのに・・・。

 地方情報に影響されたのでしょうか・・・!?

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雷と突風に関する北海道地方気象情報 第1号

平成22年10月15日10時44分 札幌管区気象台発表

(見出し)
日本海側と太平洋側西部では、15日昼過ぎから16日朝にかけて大気の状態が非常に不安定となり、雷雲が発生して発達するおそれがあります。落雷、竜巻などの激しい突風、ひょう、急な強い雨に注意してください。

(本文)
<防災事項>
注意を要する地域、災害、期間
 日本海側、太平洋側西部
  落雷、竜巻などの激しい突風、ひょう、急な強い雨
    15日昼過ぎから16日朝にかけて 

<概況>
 気圧の谷が15日夜から16日朝にかけて北海道を通過する見込みです。このため、北海道付近には15日昼過ぎから16日朝にかけて南から暖かく湿った空気が入り、大気の状態が非常に不安定となるでしょう。

 今後、地元気象台や測候所の発表する気象情報に留意してください。
 北海道地方気象情報は、これで終了します。

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 札幌管区の地方情報も第1号で終わっていました。
 ただし、影響範囲を考えると、これは妥当でしょう。
 「今後、地元気象台や測候所の発表する気象情報に留意してください」と記していますし・・・。

 北海道で府県情報を発表する気象台は7ヵ所ありますが、以下の5ヵ所は発表しませんでした。

   函館海洋気象台(渡島・檜山)  旭川地方気象台(旭川・留萌)  稚内地方気象台(宗谷)
   網走地方気象台(網走・北見・紋別)  釧路地方気象台(釧路・根室・十勝)

 発表したのは札幌管区気象台(石狩・空知・後志)と室蘭地方気象台の2ヵ所だけ。
 先ほど見たら、札幌管区も「石狩・空知・後志地方気象情報は、これで終了します」となっていました。
 結局、3回発表しましたが・・・。

 状況がよりシビアだった室蘭地方気象台は8回発表。以下は最後の情報です。

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大雨と雷および突風に関する胆振・日高地方気象情報 第8号

平成22年10月16日05時30分 室蘭地方気象台発表

(見出し)
胆振中部の大雨警報は解除しましたが、これまでの雨により16日昼過ぎま
で土砂災害に注意して下さい。

(本文)
この情報は、胆振・日高地方全域が対象です。

<特記事項>
胆振中部の大雨警報(土砂・浸水)を解除しました。

<防災事項>
 注意を要する地域、災害、期間
 胆振中部   土砂災害    引き続き16日昼過ぎまで
 胆振中部   河川の増水   引き続き16日朝まで

<雨の実況>(アメダスによる速報値)
 降り始め(15日08時)から16日05時までの総雨量
  登別市カルルス  129.5ミリ
  白老町森野    122.0ミリ  
  登別市札内町   103.0ミリ 

 降り始め(15日08時)から16日05時までの1時間値
  登別市カルルス   53.0ミリ(観測史上1位)
    (15日15時30分から16時30分)
  登別市札内町    47.5ミリ(10月として1位)
    (15日12時40分から13時40分)

 これで胆振・日高地方気象情報を終了します。

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 今度こそ、終了です。
 しかし、最初の情報の「これで終了します」は、本気だったのでしょうか?
 どうでもよいですが、気になります。

 胆振地方の強雨の少し後、新潟県胎内市では突風が起こり、ニュースでも大きく取り上げられました。
 これも前日のブリーフィングで(竜巻までいかなくても、シビアな状況になりうる)可能性を示唆できてませんでした。振り返っておく必要がありますね・・・。

   ・朝日新聞の記事
   ・毎日新聞の記事

   ・現地災害調査速報(新潟地方気象台)
        平成22年10月15日に新潟県胎内市で発生した突風について

 ※ 北海道の地形図はGoogle Mapを利用。
   そのほかの画像は気象庁HPより引用のうえ、加工しました。

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