『総理執務室の空耳 -黒河小太郎政治小説集-』 田勢康弘 (新潮文庫)

 23時現在、Yahoo!の国内アクセスランキングの第2位の見出しは――。

   女子学生へのセクハラ  田勢早大教授が「解職」

 田勢って、もしかして・・・。この姓は珍しいですが、あの人?

 あの人でした。。。 J-CASTニュースの記事より、一部引用すると・・・。

 日経の客員コラムニストとして知られる早大大学院客員教授の田勢康弘氏(65)が、セクハラ問題で早大を「解職」になったことが分かった。週刊誌にも報道され、早大が調査してセクハラと認めたためだ。田勢氏は、「セクハラではない」と反論している模様だ。

 田勢康弘氏は、日本経済新聞では、政治部記者、ワシントン支局長などとして活躍し、現在も同紙の客員コラムニストとして定期的に寄稿している。テレビ出演も多く、現在はテレ東の番組「田勢康弘の週刊ニュース新書」を受け持っているほどだ。


 続きです。。。

 田勢氏は、大学院公共経営研究科の修士課程で学ぶ女子学生を授業で教え、08年4月からティーチングアシスタントも任せていた。ところが、09年7月になって、女子学生を1泊2日の長崎出張に同行しないか誘った。女子学生は2人だけの旅行に抵抗があったが、田勢氏が修士論文の審査をしていることを考え、承諾した。

 そして、田勢氏は旅行中、小説家志望の女子学生にいきなり不倫小説を共作しようと持ち出したという。さらに、同8月になって、田勢氏から小説のリアリティーを出すため、女子学生が脱ぐようにお願いするメールが送られたとしている。(中略)

 文春によると、田勢氏は、同誌の取材に対し、旅行やメールの事実は認めた。その一方で、セクハラは否定し、女子学生に脱ぐことを依頼するメールについては、メールに書いたのと同様に、小説のリアリティーを出すためと強調したという。


 不倫小説を共作しようって、意味不明すぎ。。。
 いや、ひょっとして、本当に不倫小説を書きたかったのか・・・?

 田勢氏は政治ジャーナリスト時代に黒河小太郎のペンネームで小説を書いていました。
 それが、この『総理執務室の空耳 -黒河小太郎政治小説集-』に収められている四編の小説。
 舞台は1993年頃の永田町。事実が小説を後追いするような形になり、作者は誰かと"犯人"探しが行われたりもした・・・ということで、単行本では「謎の作者を推理するための鼎談」までつけられました。

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 文庫化にあたって
小説 野党連立政権誕生す
小説 続・野党連立政権誕生す
小説 一九九四年大動乱――それはデノミから始まった
小説 決断!――コメ・マフィアたちのXデー
三酔人鼎談 黒河小太郎って、だれだ? 足川虎二/唯野誠/佐藤デンスケ
 著者あとがき
 解説 Alone Together(独りで一緒に)の作家
         ――田勢康弘と黒河小太郎――  石川好
                                 (平成8年5月1日発行)

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 鼎談の最後は、佐藤デンスケのこんな言葉で締めくくられています。

 こういう小説は、事前に情報を取ってそれをなぞりながら、ある程度事態の展開を予測する。そして、その結果が当たったとか当たらないとかいう話ですから、結果がすぐ出るという危険性もあるわけです。こういう危険があるうえに、コスト・パフォーマンスの悪い手法で小説を書き続けるということは、常識では考えられない。したがって、私は大胆に予測しますけれども、この黒河小太郎なる人物が単数にしろ複数にしろ、この種の危うさに手を染めることはもはやないだろうと思います。

 単行本は黒河小太郎名義でしたが、文庫は本名の田勢康弘名義。自ら正体を明かしたということは、今後、黒川小太郎名義で書くことはないという宣言でもあり、佐藤デンスケの予想は当たったことになります。
 でも、政治小説は書かないにしても、別ジャンルの小説は書きたかったわけですか。。。
 まあ、それはそれで本人の自由ですが・・・。

政治の大転換を予見して衝撃を与えた謎の作家が、今、遂にヴェールを脱いだ。――非自民連立政権誕生の裏で、宮沢喜一と羽田孜はどんなやり取りをしたか。コメ市場部分開放に到る過程で小沢一郎やコメ・マフィアがいかに暗躍したか。政変の陰で繰り広げられた会話の細部までが、黒河小太郎によって白日の下に晒された。しかし、これは全て想像力によって紡ぎだされた小説なのだ!

 こういうことがあってから読み返すと、カバーの紹介文はいかにも皮肉な感じ。。。

   これは全て想像力によって紡ぎだされた小説なのだ!

 政治小説は想像力で紡ぎだすことが出来ても、不倫小説は無理だったようで・・・。
 しかし、不倫小説のリアリティーを出すためとは・・・

 テレビ東京の『週刊ニュース新書』は降板、あるいは、打ち切りでしょうか。。。

   ・田勢康弘(Wikipedia)





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