Untidy Bookshelves

アクセスカウンタ

zoom RSS 『短篇詰将棋集 39題+1』 木下晃 (将棋世界平成8年2月号付録)

<<   作成日時 : 2008/11/02 02:16   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

 将棋世界の付録は通常80ページで、詰将棋や必死、次の一手は39問なのですが、詰将棋集ではたまに「+1」というのがあり、表紙でも1問出題されていることがあります。でも、この詰将棋集は「+1」なのに、表紙に問題がありません。どこに出てくるのかと思ったら、1問目の解説に答えがありました。



 易しい3手詰。解答は省略し、「+1」の解答を・・・。

 「木下の詰将棋50」(以後50に略)の第1番。御覧のように易しい3手詰だが、初手▲1二金と打つ面白い紛れがある。以下△同飛▲同歩成△同玉▲3二飛△2二角▲同飛成△同玉▲4二飛成(▲3一角は△1一玉)△3二金(または銀)で詰まないのだが、△3二歩合だと奇麗に詰む。つまり別の詰将棋ができるから、39題+1です。図面は各自頭の中で描いて下さい。

 頭に描けないので、△3二歩の局面を図にしてみました。


 確かに奇麗に詰みます。7手詰ですね。

 手順は▲1三角△1一玉▲3三馬△同桂▲3一竜△1二玉▲2二角成まで。もし、△3二歩が△3二金ならば▲3一竜を△同金、△3二銀ならば▲3三馬を△同銀と取れるので、詰まないわけです。

 3手詰から始まり、最後は17手詰。タイトルは「短篇詰将棋集」ですが、中篇の詰将棋も含まれています。でも、手数のわりには解きやすいのが多く、前半より後半のほうがわりとサクサク解けました。

 NO.26は打ち歩詰を回避する手筋というか、駒の使い方が現われます。


 作意手順は最後に記すとして、解説の文章が凄すぎ・・・。

 この問題も50からの出題だが、面白い話を聞いた。現在八段のK君が四段当時、順位戦でK谷君にトン死を喰わしたと言う。もちろんK君がこの詰将棋の正解を知っていて、相手が知らなかった。詰将棋を解いておくのも、実戦に少しは役立つと思える。

 なんだかひどい言われようです。詰将棋の正解を知っているかどうかは、実戦ではあまり関係ないような・・・。実戦の終盤は、詰将棋のように必ず詰む局面と分かって指しているわけではありません。一問の詰将棋を知っている、知らないで勝負がつくことはあまりないでしょう。それより、現われた局面に対してどれだけ正しく判断し、指し手を選択できるかが重要です。どちらにしてもネタにされた棋士へのフォローにはなりませんが・・・。
 とりあえず、どんな将棋だったのか気になったので、調べてみました。
 プロ棋士で「K谷」といえば、一人しかいませんので・・・と思ったら、実はもう一人、熊谷達人八段(追贈九段)がいました。でも、木下七段より10歳近く年長なので、さすがに「K君」とは呼ばないでしょう。ということはやはり、あの人しかいませんが、順位戦を長い間指していたので、どの将棋かを絞りきるのは容易でありません。
          ※ 桐谷広人(将棋順位戦データベース)

 ダメモトで「棋譜でーたべーす」で桐谷七段の将棋を検索してみたら、1977年の順位戦で桐谷広人−小林健二戦というのがありました。投了図の数手前からの手順を並べると・・・これでした。一発で見つかり、ラッキー!

 下の図が問題の局面。小林四段(当時)が△8三竜としたところです。ここで桐谷四段(当時)は▲7一金と指し、△3八銀打以下の詰まされました。手順は▲2八玉△3七金▲1九玉△1八歩打▲同玉△2七銀不成▲2九玉△3八金▲1九玉△2八金(実戦はここで投了)▲同角△1八歩▲2九玉△4七角成▲3九玉△3八馬までです。


 トン死と言えないこともありませんが、仮にこの詰手順を読んでいたとしても適当な受けが分かりません。一目浮かぶのは▲2八玉ですが、△2六銀▲同角△同歩の局面は後手玉に詰めろがかからず、一方、後手からは4三の銀を動かして竜を活用する筋や(▲1七玉に対して)3七の金を動かして6九角を活用する筋などがあります。自分が先手側をもって勝てる自信はないです。桐谷四段(当時)がどう考えていたかは分かりませんが、自玉の詰みを読んだうえで、詰将棋のような手順が現われる投了図を選んだ可能性もあるのではないでしょうか。
 まえがきによると「木下の詰将棋50」が発行されたのは1977年とのことで、小林四段(当時)がこの詰将棋を知っていた可能性はありますが、知らなくても詰ますことが出来る手順です。話としては面白いですが、ちょっと作りすぎな感じがします。

 そんなわけで、もうNO.26の詰手順を記す必要はないかもしれませんが、一応加えておきます。

   ▲3三金 △1二玉 ▲2三金打 △2一玉 ▲3二金左 △1一玉 ▲2二金左 △同 角
   ▲1二歩 △2一玉 ▲4三馬  △3二金  まで13手詰

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
木下晃さんの詰将棋
部屋を整理していたら木下晃さんの詰将棋小冊子がでてきた。 木下さんというと関西の棋士であるが調べてみると2010年に亡くなられていた。お悔やみ申し上げます。 ...続きを見る
バビル3世ブログ(将棋、書籍他) 
2014/11/28 17:39

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『短篇詰将棋集 39題+1』 木下晃 (将棋世界平成8年2月号付録) Untidy Bookshelves/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる