『ローマ人の物語 32 迷走する帝国〔上〕』 塩野七生 (新潮文庫)

第一部 ローマ帝国・三世紀前半
 第一章(紀元二一一年-二一八年)
  皇帝カラカラ  誰でもローマ市民!  「既得権」と「取得権」  
  「取得権」の「既得権」化による影響  帝国防衛  ローマのインフレ  パルティア戦役
  機動部隊  メソポタミアへ  謀殺  皇帝マクリヌス  撤退  シリアの女  帝位奪還
 第二章(二一八-二三五年)
  皇帝ヘラガバルス  皇帝アレクサンデル・セヴェルス  法学者ウルピアヌス 六年の平和
  忠臣失脚  歴史家ディオ  ササン朝ペルシア  再興の旗印  ペルシア戦役(1)
  兵士たちのストライキ  第一戦  ゲルマン対策  ライン河畔
                    (平成20年9月1日発行 平成20年10月10日2刷)

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 『ローマ人の物語』の文庫は2002年と2004年以降の毎年、夏から秋に出ていて、いつもはすぐに買うのですが、今年は相当迷いました。理由は昨年発行の3冊を買ったものの、読み終わっていないから・・・。
 読み終わっていたとしても流れを忘れているので、以前は最初から読み返して勢いをつけていました(?)。でも、文庫とはいえ30冊を超えると、読み返すのはとても無理。前のを忘れていても、間は抜けていても、とりあえず買って読んでみることにしました。

 一応、買った3冊のうち2冊まで読み終えました。ひとことでいうと、ややこし過ぎ! 何がややこしいって、皇帝の数があまりに多いこと。この32の最初には三世紀(211-284年)の皇帝の一覧があるのですが、73年間になんと22人! どこかの国の首相もこのくらいは変わっていますが、議員内閣制の首相と終身在位の皇帝とでは意味合いがまったく違います。一世紀(前30-98)の9人(+α)、二世紀(98-211)の6人(+α)と比べると、いかに頻繁に皇帝が変わったか、「三世紀の危機」と特筆されるゆえんです。
 皇帝がこれだけ変われば、政策の継続性も難しくなっていきます。一方で、新たな政策の結果として、いったん与えられた権利を覆すような政策は、とりづらいのが普通です。そのような政策の一つが、ローマ市民と属州民の境を撤廃した「アントニヌス勅令」。意図とは別に、ローマ帝国のローマらしさを失わせることになります。

 引用されている、ユリウス・カエサルの言葉――。

   どんなに悪い結果に終わったことでも、
   それがはじめられたそもそもの動機は、善意によるものであった。


 すったもんだの某「定額給付金」にもそんなにおいがします。
 古今東西に関わらず、あてはまる言葉なのでしょう。超一流の人の言葉には重く響くものがありますね。

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  • 『ローマ人の物語〈32〉迷走する帝国』

    Excerpt: ローマ人の物語〈32〉迷走する帝国〈上〉 (新潮文庫 し 12-82)塩野 七生 by G-Tools 211-284まで。 帝政以前は出来事で、帝政以降は皇帝名を書いてきたが、.. Weblog: 月のブログ racked: 2014-05-03 16:37