『生きていてもいいですか』 中島みゆき (PONY CANYON)
『生きていてもいいですか』―――なんとも重いタイトルです。ジャケットの表の面も真っ黒・・・。
鳥居みゆきがネタで『うらみ・ます』を歌っているのを聴き、気になっていたのですが、ようやく手に入れました。
Wikipediaには中島いわく『真っ暗けの極致』と言われるアルバムで、「うらみ・ます」、「エレーン」など暗い内容の曲が多くを占めているとあります。
「暗い内容の曲」の代表はやはり『うらみ・ます』。サビは聴いたことがありましたが、フルで聴いたのは初めてでした・・・。これをトップに持ってくるのがすごいです・・・。アルバムのコンセプト通りといえば、それまでなのかもしれませんが・・・。
ふられたての女くらいおとしやすいものはないんだってね
ドアに爪で書いてゆくわやさしくされて唯うれしかったと
うらみますうらみます
あんたのこと死ぬまで
うらみますうらみます
あんたのこと死ぬまで
『エレーン』は小説集『女歌』の「街の女」に登場するヘレンがモデルのようです。
同じマンションに住んでいた外国人娼婦――。殺害され、事件は迷宮入り――。
エレーン 生きていてもいいですかと誰も問いたい
エレーン その答を誰もが知ってるから誰も問えない
アルバムタイトルはこの歌詞からでしょうか・・・。
買ってから帯を見て、不思議に思ったのは6曲目が空白なこと。印刷ミスかと思ったら、歌詞カードも空白。当然、CD表面にも6曲目だけは曲名がありません・・・。真っ黒なジャケットや『エレーン』のエピソードなどと合わせると、けっこう不気味なものがあります・・・。
聴いてみると・・・短めのインストゥルメンタルで、ふつうに(?)曲が流れてきたので一安心!? でも、なぜタイトルがないのでしょうか? 生まれてきたけれど名づけられない・・・、歓迎されざる・・・、生まれてこなければ・・・。「その答を誰もが知ってるから誰も問えない」問い、「生きていてもいいですか」に通ずるものがあるのでしょうか?
数ある中島みゆきのアルバムの中でも最強の暗さ・・・。夜勤明けの雨の日、陰鬱な気分にぴったりなアルバムで、雨音をかき消すくらいの音量で浸るのです。そんな時に新聞の集金がきて、音量を下げ忘れたままドアを開けると、なんとも言えない微妙な空気になりますが・・・。
鳥居みゆきがネタで『うらみ・ます』を歌っているのを聴き、気になっていたのですが、ようやく手に入れました。
![]() | うらみ・ます |
泣きたい夜に | |
キツネ狩りの歌 | |
蕎麦屋 | |
舟を出すのなら九月 | |
エレーン | |
異国 | |
(1980/4/5) |
Wikipediaには中島いわく『真っ暗けの極致』と言われるアルバムで、「うらみ・ます」、「エレーン」など暗い内容の曲が多くを占めているとあります。
「暗い内容の曲」の代表はやはり『うらみ・ます』。サビは聴いたことがありましたが、フルで聴いたのは初めてでした・・・。これをトップに持ってくるのがすごいです・・・。アルバムのコンセプト通りといえば、それまでなのかもしれませんが・・・。
ふられたての女くらいおとしやすいものはないんだってね
ドアに爪で書いてゆくわやさしくされて唯うれしかったと
うらみますうらみます
あんたのこと死ぬまで
うらみますうらみます
あんたのこと死ぬまで
『エレーン』は小説集『女歌』の「街の女」に登場するヘレンがモデルのようです。
同じマンションに住んでいた外国人娼婦――。殺害され、事件は迷宮入り――。
エレーン 生きていてもいいですかと誰も問いたい
エレーン その答を誰もが知ってるから誰も問えない
アルバムタイトルはこの歌詞からでしょうか・・・。
買ってから帯を見て、不思議に思ったのは6曲目が空白なこと。印刷ミスかと思ったら、歌詞カードも空白。当然、CD表面にも6曲目だけは曲名がありません・・・。真っ黒なジャケットや『エレーン』のエピソードなどと合わせると、けっこう不気味なものがあります・・・。
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聴いてみると・・・短めのインストゥルメンタルで、ふつうに(?)曲が流れてきたので一安心!? でも、なぜタイトルがないのでしょうか? 生まれてきたけれど名づけられない・・・、歓迎されざる・・・、生まれてこなければ・・・。「その答を誰もが知ってるから誰も問えない」問い、「生きていてもいいですか」に通ずるものがあるのでしょうか?
数ある中島みゆきのアルバムの中でも最強の暗さ・・・。夜勤明けの雨の日、陰鬱な気分にぴったりなアルバムで、雨音をかき消すくらいの音量で浸るのです。そんな時に新聞の集金がきて、音量を下げ忘れたままドアを開けると、なんとも言えない微妙な空気になりますが・・・。
この記事へのコメント
私の感じたことです。
このアルバム「うらみ・ます」~「船を出すのなら九月」までが現世、「エレーン」は死んだ女の話、「異国」はあの世も異国で居場所のなかった女の話(だから次作のタイトルは「臨月」、でも本当に生まれ変わるのは「はじめまして」から)、「エレーン」、「異国」は向こうの世界で六番目のインストゥルメンタルは、「船を~」の最後で海に飲まれたみゆきのあの世への道程だと思います。「船を~」の{あなたがいなくても}はデビュー以来のファンへの別れの台詞に聞こえます(「臨月」、「寒水魚」は今迄の集大成と思っています)。
なるほど、そういうふうな解釈もできるんですね。
自分は深く考えたことがなかったのですが、参考になりました。
ところで、「寒水魚」と「はじめまして」の間には
「予感」というタイトルのアルバムがあります。
これは「生まれ変わる予感」を示しているのでしょうか?