*** Re: ハインドキャスト依頼(トクシュ サカタ) ***
3日の岩手県の雪についての記事に次のようなコメントがありました。
今月2日1時(1日16Z)の庄内空港のMETARを掲載して頂きたいのですが…。
実はその頃に、突風のため屋根に被害が出たところがあったようなんです。
その時の気象状況を知りたいので、よろしくお願いいたします。
これですね。トクシュの電文も入っていました。
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トクシユ サカタ
ヒヨウ 47587 02014」ケイ7mm ライウヲトモナウ=
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とりあえず、一番近い、2日3時の地上天気図です。日本海は朝鮮半島の付け根からのびる低圧部になっていますが、これだけではよく分かりません・・・。

前後の1日21時、2日9時の天気図も同じような感じ。やっぱりよく分かりません・・・。
1日21時のAXFE578(500・700・850hPa解析図)を見ると、東日本~東北地方を気圧の谷が通過中です。渦の極大は東日本太平洋側ですが、北陸~東北日本海側も気圧の谷が通過したとみてよいでしょう。この気圧の谷は上空に寒気を伴っていて、500hPaの気温は秋田で-29.7度、輪島では-27.9度でした。
700hPaでは酒田沖付近に極値をもつ上昇流域があります。また、この付近では850hPaの等温線が北に盛り上がっていて、気温が高くなっています。
GSMの850hPa相当温位予想図でも相当温位の盛り上がりが予想されています。狭いながらも南からの暖湿気の流れがあり、擾乱の存在を示唆しています。この擾乱は朝鮮半島の付け根からのびるシア上に発生したもので、上空のトラフの接近で明瞭になったものと推測されます。
1日9時初期値・GSM 850hPa相当温位 12時間後予想図(対象:1日21時)

冬型の気圧配置の時、季節風が中国・北朝鮮国境の白頭山(ペクト山)で分流した後、日本海で合流する際、シアを形成することが度々あります。これで日本海に寒冷渦が南下していると、天気図で表現できるくらいの低気圧が発生しますが、今回はそこまで強い寒気ではなかったので、低気圧の発生までは到りませんでした。

そうはいっても、<上空の寒気+下層の相対的な暖気+下層の収束>で対流雲は発達しやすい状況だったのは確かで、これが落雷や突風、降雹などの激しい現象をもたらしたのでしょう。
なぜ酒田だったのかはもう少し細かい解析が必要なのですが、レーダーの画像はないし、庄内空港のMETARは日中のみだし・・・。
仕方がないので、10分アメダスでお茶を濁しておきます・・・。
地点は酒田・浜中・鶴岡・狩川、少し離れていますが、飛島・鼠ヶ関を加えた、6地点です。



●飛島は西~北西、鼠ヶ関は南よりの風で経過。
酒田と浜中の地上風が南成分を持っていたのは30分程度。
鶴岡は0時過ぎからシアが通過したと見られる2時過ぎまでずっと南より。
これらのことからシアは鶴岡・浜中の間に停滞していた時間が長く、
酒田・浜中は擾乱が酒田の北を通過した約30分のみ、シアの南側に入った。
●酒田は1:30から1:40の10分間で5ミリの強雨を観測し、気温が3.1度も低下。
発達した対流雲からの突風・降雹を伴う強い降水が
急激な気温低下をもたらしたものと考えられる。
●シアが通過したほかの地点(浜中・鶴岡・狩川)では
酒田のような短時間強雨・気温低下が見られない。
発達した対流雲の規模は小さかったと考えられる。
●シアが通過したタイミングでの酒田・浜中・鶴岡の風向変化は
西南西→西北西と比較的小さい(突風が起こった酒田はこの限りではないが)。
また、浜中のシア通過から約10キロ離れた鶴岡のシア通過まで
40分ほど要していることから、対流雲の走向は比較的東西に寝た形だったと推測される。
●狩川のみシアが通過する直前、それまでの南西風が東よりの風に変わっている。
これが場の西風との収束により、対流雲をより発達させたのか、
あるいは擾乱に巻き込む形で風向が変化したのか・・・どちらかは判断できない。
・・・とここまで書いたところで、いろいろ検索していたら、見つけてしまいました。
気象・歳時・防災 コラム!
『ポーラーローと白頭山』
http://blogs.yahoo.co.jp/otenki_bosai/50862733.html
いや、質問された方のほうが詳しかったですね。失礼しました・・・。
※ 天気図は北海道放送のホームページより引用のうえ、加工。
アメダスは気象庁のホームページより引用。
今月2日1時(1日16Z)の庄内空港のMETARを掲載して頂きたいのですが…。
実はその頃に、突風のため屋根に被害が出たところがあったようなんです。
その時の気象状況を知りたいので、よろしくお願いいたします。
これですね。トクシュの電文も入っていました。
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トクシユ サカタ
ヒヨウ 47587 02014」ケイ7mm ライウヲトモナウ=
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とりあえず、一番近い、2日3時の地上天気図です。日本海は朝鮮半島の付け根からのびる低圧部になっていますが、これだけではよく分かりません・・・。

前後の1日21時、2日9時の天気図も同じような感じ。やっぱりよく分かりません・・・。
| 1日21時・地上実況天気図 | 2日9時・地上実況天気図 |
![]() | ![]() |
1日21時のAXFE578(500・700・850hPa解析図)を見ると、東日本~東北地方を気圧の谷が通過中です。渦の極大は東日本太平洋側ですが、北陸~東北日本海側も気圧の谷が通過したとみてよいでしょう。この気圧の谷は上空に寒気を伴っていて、500hPaの気温は秋田で-29.7度、輪島では-27.9度でした。
700hPaでは酒田沖付近に極値をもつ上昇流域があります。また、この付近では850hPaの等温線が北に盛り上がっていて、気温が高くなっています。
| 1日21時・500/700/850hPa解析図 | 2日9時・500/700/850hPa解析図 |
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GSMの850hPa相当温位予想図でも相当温位の盛り上がりが予想されています。狭いながらも南からの暖湿気の流れがあり、擾乱の存在を示唆しています。この擾乱は朝鮮半島の付け根からのびるシア上に発生したもので、上空のトラフの接近で明瞭になったものと推測されます。
1日9時初期値・GSM 850hPa相当温位 12時間後予想図(対象:1日21時)

冬型の気圧配置の時、季節風が中国・北朝鮮国境の白頭山(ペクト山)で分流した後、日本海で合流する際、シアを形成することが度々あります。これで日本海に寒冷渦が南下していると、天気図で表現できるくらいの低気圧が発生しますが、今回はそこまで強い寒気ではなかったので、低気圧の発生までは到りませんでした。

そうはいっても、<上空の寒気+下層の相対的な暖気+下層の収束>で対流雲は発達しやすい状況だったのは確かで、これが落雷や突風、降雹などの激しい現象をもたらしたのでしょう。
なぜ酒田だったのかはもう少し細かい解析が必要なのですが、レーダーの画像はないし、庄内空港のMETARは日中のみだし・・・。
仕方がないので、10分アメダスでお茶を濁しておきます・・・。
地点は酒田・浜中・鶴岡・狩川、少し離れていますが、飛島・鼠ヶ関を加えた、6地点です。



●飛島は西~北西、鼠ヶ関は南よりの風で経過。
酒田と浜中の地上風が南成分を持っていたのは30分程度。
鶴岡は0時過ぎからシアが通過したと見られる2時過ぎまでずっと南より。
これらのことからシアは鶴岡・浜中の間に停滞していた時間が長く、
酒田・浜中は擾乱が酒田の北を通過した約30分のみ、シアの南側に入った。
●酒田は1:30から1:40の10分間で5ミリの強雨を観測し、気温が3.1度も低下。
発達した対流雲からの突風・降雹を伴う強い降水が
急激な気温低下をもたらしたものと考えられる。
●シアが通過したほかの地点(浜中・鶴岡・狩川)では
酒田のような短時間強雨・気温低下が見られない。
発達した対流雲の規模は小さかったと考えられる。
●シアが通過したタイミングでの酒田・浜中・鶴岡の風向変化は
西南西→西北西と比較的小さい(突風が起こった酒田はこの限りではないが)。
また、浜中のシア通過から約10キロ離れた鶴岡のシア通過まで
40分ほど要していることから、対流雲の走向は比較的東西に寝た形だったと推測される。
●狩川のみシアが通過する直前、それまでの南西風が東よりの風に変わっている。
これが場の西風との収束により、対流雲をより発達させたのか、
あるいは擾乱に巻き込む形で風向が変化したのか・・・どちらかは判断できない。
・・・とここまで書いたところで、いろいろ検索していたら、見つけてしまいました。
気象・歳時・防災 コラム!
『ポーラーローと白頭山』
http://blogs.yahoo.co.jp/otenki_bosai/50862733.html
いや、質問された方のほうが詳しかったですね。失礼しました・・・。
※ 天気図は北海道放送のホームページより引用のうえ、加工。
アメダスは気象庁のホームページより引用。




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