『詰将棋』 日本将棋指導協会 編 (高橋書店)

 半年ぶりに帰省したら、実家の本棚がきれいに整理されていた。捨てられた本はなさそうで一安心・・・、というか、概ねジャンルごとに並べ直されていたので、行方不明だった本のありかが分かり非常に助かる。まったく持つべきものは、ちゃんと整理整頓のできる父と弟である。
 そんなわけで、久しぶりに見つけることができた本―――、将棋関係のみだけど、むりやり何冊か詰め込んで帰ってきた。

 本書はその中の一冊。中学生の時、父の同僚からもらった本で、七手詰・7問、九手詰・27問、十一手詰・39問、十三手詰・12問、十五手詰・21問、十七手詰・2問の計108問。最初のほうは4回、最後の10数問も2回は読んだ形跡がある。なぜ分かるかというと、解けたか解けなかったか、○×が記してあるから―――。子供の頃から冷めた性格だったけど、あの頃はまだ少しは熱い思いがあったようで・・・。
 中学生の時に解けた問題なのだから、楽勝! とは言えないのが辛いところ。新花巻~北上の間で7問解けたけど、これは7手詰だったから。手数が長くなるにしたがって思考は渋滞し、結局、京葉線の車中を入れた約4時間で解けたのは94問、不正解1問、13問残してしまった。うーん・・・、まあ、こんなものか。残りは世間のゴールデンウィーク中に・・・、ってこんな文章書いてる間に解けばよいわけで・・・。

 それにしても―――、ずばり『詰将棋』とは、ヒネリもなにもない、かなり大胆なタイトルである。編集は日本将棋指導協会という、聞いたことがない団体である。あやしい・・・。だいたい「指導協会」とは何様のつもり?! そういえば、ヒントも解説も上からものを言っているような文体で、読んでいて違和感がある。
 自分が独断と偏見で選んだ、「こんなん読んでしまったら、むかついて詰将棋どころじゃないで賞」は第52番のヒント。

 実戦において、自玉が受けなしの局面になっていたら、本題など無理遣り詰めてしまうであろうが、実戦では、つい大駒を大切にしてしまうので失敗することが多い。
 馬のニラミと飛車の使い方、この関連が急所といえれば、要は大駒を大切にしないことと申し上げておこう。
 詰めねば負けという気持ちになれば、なんの簡単なものですわ。


 特に・・・最後の一文がム・カ・ツ・ク!!!

 第8番の解説の末尾もすごい。

 本題は香打ちを作るまでの手段が目を引く程度。佳作にいま一歩の感があろう。

 作者の立場は・・・? そういえば、この本の108問にはどれも作者の名前がない。作品の感じからは複数の作者だと思うが、編者よりそんなに立場が弱いのか?! 作品を上納させられたうえ(?)、こんな書かれようでは、やってられませんね―――、と思うのは自分だけ!? 日本将棋指導協会、ますます気になりますね。

 しかも解説の中には時々、唐突が「心得」が出てくるけど―――、何これ? 読んだところまでに出てきたのを挙げると、

 第7番 大駒を惜しむな。
 第19番 守備駒を取ると形が変わる。
 第25番 守備駒の死角をつけ。
 第35番 全局を見よ。
 第38番 考える習慣こそ、上達の糧。
 第48番 合駒を許すな。
 第50番 香は最下段に打て。
 第54番 形を決めよ
 第57番 あまり、形を変えるな
 第65番 質駒を作れ。
 第74番 駒得よりも形が大切。
 第76番 単純な王手は追う手と知れ。


 ありがたいお言葉の数々だが、なぜその問題に対する心得なのか、必然性に乏しく、中途半端。第38番なんて、中途半端を通り越し、はっきり「大きなお世話」と思うのだが・・・。

 さらに・・・、ひっかけも・・・。第3番のヒント。

 スタイルは満点、妙手発見も一手でよいという、初心者向きの問題である。
 (略)玉は△1二の地点で詰む。



 詰むのは1三なんですが・・・、初心者相手にこんなアコギなことをしてはいけません。

 もう一つ、第45番のヒント。

 (略)玉は引きずり回されたあげく、△2一の地点で捕われよう。(略)



 1二の地点で詰むんですが・・・。

 終盤の訓練になるし、ツッコミどころが多いし、いろいろな意味で価値のある本です。あとは編者の日本将棋指導協会の正体さえ分かれば、何もいうことはありません。

この記事へのコメント

鯉のぼり
2007年04月27日 19:36
久しぶりのたかはしさんの記事、楽しく読ませてもらいました。

…が、一つ疑問です。
整理整頓されたご実家から、
「将棋関係のみだけど、むりやり何冊か詰め込んで帰ってきた」
ってことは、たかはしさんの部屋の本がまた増えたってことですよね。
片付けるのが余計に大変になりましたね。やっぱそろそろ業者かな。

あっ、研修はお手柔らかにお願いします…。
五位上り(・・・カープファンの夢?!)
2007年04月29日 01:49
確かに本は増えました。でも、たったの4冊、1パーセント未満ですから、状況はまったく同じといえるでしょう。・・・ってことは片付けるのが大変な状況も変わっていないわけですね・・・。やっぱそろそろ秋葉原メイド掃除クラブかな。

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