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zoom RSS 『炎環』 永井路子 (文春文庫)

<<   作成日時 : 2018/04/24 14:42   >>

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 おととい再読完了した『陰謀の日本中世史』に登場したので、かなり久しぶりに読んでみた永井路子の『炎環』。
 平安末期〜鎌倉初期を描いた短編集です。
 それぞれの主役は、一般的にはマイナーな人物。
 梶原景時・北条義時はともかく、阿野全成・阿波局の夫妻が教科書に出てくるなんて、考えられません。

  悪禅師  阿野全成 源頼朝の異母弟
  黒雪賦  梶原景時
  いもうと 北条保子(阿波局) 北条政子の妹
  霸樹   北条義時

 源義経の失脚に始まり、梶原景時の変・阿野全成事件・比企能員の変・源頼家の幽閉・畠山氏討伐・平賀朝雅討伐・源実朝暗殺・・・。
 『陰謀の中世史』に登場する事件が数々出てきます。

 『陰謀の中世史』で触れられているのは、源実朝暗殺に関して。

 第二の説は三浦義村説である。実朝を暗殺した公暁と義村が事前に暗殺計画について話し合っていたと推理するものである。作家の永井路子氏が小説『炎環』で提起し、中世史研究者の石井進が好意的に取り上げたため、学界でも有名な説である。

 呉座勇一の評価はーー。

 義時黒幕説より説得力があるが、山本幸司氏が言うよつに、義村がかくも大それた陰謀を企てるか、という点が引っかかる。

 確かに・・・。
 ただ、一般的にはマイナーな三浦氏と北条氏が争っていたのは事実。
 ほとんど忘れてしまったので、永井路子の鎌倉ものを再読しないとダメですね、

 以下は本書のあとがきからの引用。

「近代説話」に発表したものに最後の一編を書加えたこの四編は、それぞれ長編の一章でもなく、独立した短編でもありません。一台の馬車につけられた数頭の馬が、思い思いの方向に車を引張ろうとするように、一人一人が主役のつもりでひしめきあい傷つけあううちに、いつの間にか流れが変えられてゆくーーそうした歴史というものを描くための一つの試みとして、こんな形をとってみました。

       昭和三十九年十月 光風社刊


 著者の歴史の見方が簡潔にまとめられていて、広く適用可能な深い一文と思います。


 悪禅師  黒雪賦  いもうと  霸樹
    解説 進藤純孝
     (1978年10月25日第1刷 1985年4月1日第4刷)

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