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zoom RSS *** 台風通過後の大雨(7/17夜間の近畿) ***

<<   作成日時 : 2015/07/23 23:41   >>

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 台風通過前については、19日にエントリーしました。
   → *** 台風接近前の大雨(7/16の関東周辺) ***
 台風通過前後について、17日にエントリーしました。
   → *** キロクアメ トクシマ × 2 (7/16) + キロクアメ マツヤマ (7/17) ***
 ということで、台風11号・三部作(?)の最後は、台風通過後の大雨――。
 台風体制に伴うシフト変更で夜勤になった、17日夜間の話を含みます。。

 下は17日に更新された観測史上1位の値。
 兵庫県南部や和歌山南部などで24時間降水量などの極値を更新。

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 18日に更新された観測史上1位の値。
 日界後の降水量は17日ほどでないですが、長岡京が加わりました。

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 16日夜遅く、高知県に上陸した台風11号は、17日朝、岡山県に再上陸。
 午後には日本海へ抜けていきました。

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 台風の動きが遅かったとはいえ、通常なら台風が遠ざかるとともに、雨が弱まるものですが・・・。
 夜になっても兵庫南東部や大阪、京都南部などで時間10ミリ以上の雨が継続。

 ●レーダーエコー図       左:7月17日13時〜16時    右:7月17日17時〜20時
画像

 夜間に強雨・大雨になるのでは? と予想されていたのは、岐阜県を中心とした東海地方。
 MSMなど解像度の細かいモデルでは、夜遅くに三重〜愛知〜岐阜に強い降水が予想されていました。
 南北にのびるライン状の降水域で、岐阜県山沿いでは地形上昇の効果もあるので・・・。

 そんな見立てだったのですが、東海地方にはモデルで計算していたようなラインは現われず・・・。
 その代わり、というべきか、大阪〜京都南部を中心とした近畿地方の雨がなかなか弱まりません。
 強雨の要因として考えられるのは、紀伊水道を北上する暖湿気です。

 ●レーダーエコー図       左:7月17日21時〜24時    右:7月18日1時〜4時
画像

 ようやく近畿の雨が弱まったのは、18日明け方になってから。
 下層風向が南よりから西よりに変化――ということは、紀伊水道を北上する暖湿気が弱まってからでした。

 ●レーダーエコー図       左:7月18日5時〜8時    右:7月18日9時〜12時
画像

 紀伊水道を北上する暖湿気は、当然、モデルでも計算されていました。
 南〜南南西風が強く、相当温位も高めの状態が継続――でも、降水量はそれほどではなく・・・。
 強雨域が東海から近畿へずれたのは、微妙な下層風分布の違いが影響しているかもしれません。
 夜のはじめ頃にかけての下層風分布を見ると、紀伊水道〜大阪湾は西成分をもった南よりの風。
 一方、伊勢湾は東成分をもった南よりの風・・・ということは、その間が収束域になるわけで・・・。

 さらに、強雨の要因として考えられるのは、雲の背が高かったこと。
 モデルでは500hPaまでしっかり湿っていました。
 下層暖湿流(+収束)に上層の湿潤域が重なることで、雲が発達しやすかったのでしょう。

 そして、モデルの計算通りに台風の動きが遅かったため、強雨が長時間継続。
 これらの条件が重なり、記録的な大雨になったと考えられます。

 最近のエントリーで何度か触れたように、この台風11号は、2011年台風12号と進路が似ていたため、降水量などの見解を組み立てる際、参考にしました。
 実際、よく似た進路を通り、両者の地上気圧配置も類似していましたが、台風の構造が・・・。

 下はデジタル台風のサイトから引用した衛星画像で、左が今回の台風11号、右が2011年12号です。
 どちらも台風が日本海へ出たタイミングのものですが、構造がだいぶ違います。


 今回の台風は日本海へ出た時点でもある程度、対称性を保っていたのに対し、2011年12号は温低化が進んでいて、後面には乾燥した空気が入り始めていました。
 このため、今回のほうが台風南側の下層南風が強く、乾燥した空気が入り始めていた2011年12号よりも雲が発達しやすかったと考えられます。

 「類似台風」という場合、進路や勢力に注目することが多く、実際それらは有用なのですが、台風の構造そのものも大事な要素。また、ある時点のあるエリアでは現われる現象が似ていても、別のエリアの別の時間帯では似つかない現象が起こりうるということ。
 どちらも当たり前の話で、「類似台風」だからといって思考停止してはいけないということですね。


  ※ レーダーエコー図は「川の防災情報」のサイトから引用しました。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
本当なら、水蒸気画像で比較した方がわかりやすいかも。
別途送ります。
navarea11
2015/07/25 20:39
navarea11さん、バタバタしていて返答が大変遅れ、すみません。
水蒸気画像、ありがとうございました。
温低化が進んでいるかどうかの判断の目安の一つは、
後面にどのくらい乾燥した空気が入っているかなので、
水蒸気画像のほうが有効ですね。

来週前半は台風15号が西日本へ
接近・上陸する可能性が高くなってきました。
コース・勢力だけでなく、構造もしっかり追いたいと思います。
たかはし
2015/08/22 20:09

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