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zoom RSS *** 台風17号に伴う、新潟県内の雨 (9/30〜10/1) ***

<<   作成日時 : 2012/10/09 00:00   >>

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 先週の日曜日(9月30日)は台風17号が愛知県へ上陸し、甲信〜関東北部を通過。
 関東平野部は強風が吹き荒れたものの、雨量はそれほどでなく、雨の中心は北部山沿いでした。
 北部山沿いで強雨となったのは、台風前面の湿った南東風が山にぶつかったため。
 この風向なら新潟県は風下になるはずですが、強い雨雲が数時間かかり続けました。
 日付が変わって以降は、沖合いから東北東〜西南西にのびるエコーが南下。
 台風北側の雲ほどでなかったものの、1日明け方は再び強い雨になりました。

 ●レーダーエコー図       左:9月30日21時〜24時   右:10月1日1〜4時
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 新潟県は、日中も上越を中心にエコーがかかり、断続的に雨が強まりました。

 ●レーダーエコー図       左:10月1日5時〜8時    右:10月1日9〜12時
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 上越の雨が弱まったのは夕方になってから。
 ただし、下越では、佐渡島を迂回する風が収束することにより、局地的に雨雲が発達。
 磐越西線沿線では、時間50ミリ前後の雨となった所もありました。

 ●レーダーエコー図       左:10月1日13時〜16時   右:10月1日17〜20時
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 台風17号による雨、台風が遠ざかった後の雨。30日から1日の二日間の雨量は上越を中心に多くなり、アメダス・能生では24時間雨量の最大値が209ミリ。観測史上1位の記録を更新しました。

 下は上越地方、および新潟(中越)・群馬県境付近の2日間の降水量を並べたもの。

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 上越は能生で2日間の降水量が(実質ほぼ24時間雨量)210ミリに達したほか、多くの地点で100ミリを超えました。
 新潟・群馬県境で特徴的なのは、新潟県側で群馬県側と同じくらいかそれ以上の雨量となった点。
 先に述べたように、台風前面の南東風が強雨の要因なら、30日夜の雨量は群馬県側より多くならないはず。
 上越も、30日夜の雨量がここまで強まらないはず・・・(能生は30日17〜22時の5時間で111.5ミリ)。

 上越で予想以上に雨量が多くなり、新潟・群馬県境で新潟県側の雨量のほうが多くなり――。
 この2点はいずれもやや予想外でした。
 というのも、今年の6月19日から20日の2日間、群馬県のみなかみでは50ミリ前後の雨が降ったものの、新潟県側は5〜10ミリ前後しか降っていなかったので・・・。

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 ちなみに、今年の6月19日から20日にかけて何があったかというと、台風4号が和歌山県南部に上陸。
 関東甲信などを通過した後、20日には東海上へ――。
 最近、似たようなコースを通過した台風がありましたね。。
 そんなわけで、下の図。左が台風17号、右が台風4号です。

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 似たようなコースを通った台風なのに、なぜこれほど降水量が違うのか?
 まずは、台風17号が通過中だった9月30日21時の天気図。
 台風が上陸後、甲信付近を進んだ30日夜のはじめ〜夜遅くは、その前面で下層の南東風と北東風の収束が明瞭となっていました (この図では分かりづらいですが、より下層の950hPaレベルでは収束がさらに明瞭)。
 この影響で、新潟・群馬県境付近は、群馬県側より新潟県側の山沿いで雨雲が発達したようです。また、上越管内は下層の北東〜北風の速度収束・地形上昇により、雨雲が発達したと考えられます。

 ●地上実況天気図(9月30日21時)       ●850hPa・700hPa解析天気図(9月30日21時)
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 一方、6月19日21時の天気図。
 地上だけ見ると、台風の北には梅雨前線が解析されていて、こちらのほうが降りそうに見えます。
 ただし、オレンジの○で示したように、台風とは別に山陰沖東部には別の下層渦がありました。
 この下層渦の影響で、新潟県では台風に巻き込むような北東〜北風が吹きにくく、東よりの風が卓越。
 下層風の収束が弱いことに加え、東よりの風が山を吹き下ろすような形になりました。
 このため、前線がかかっていても雨雲が発達しにくい場だったと考えられます。
 また、台風が抜けた後は後ろの下層渦の影響で西よりの風が卓越し、海上から雲が南下しにくい形。
 台風通過時・通過後の雨量は、台風17号を大きく下回る結果になったわけです。

 ●地上実況天気図(6月19日21時)       ●850hPa・700hPa解析天気図(6月19日21時)
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 過去5年の台風進路図を遡ってみたところ、ほかに似たような進路の台風が2つありました。
 2011年の15号と2009年の18号で、進路図はそれぞれ左下・右下。
 どちらも気象庁のHP・「災害をもたらした気象事例」に載っている台風です。
       台風第15 号による暴風・大雨 平成23 年(2011 年)9 月15 日〜9 月22 日
       台風第18 号による暴風・大雨 平成21 年(2009 年)10 月6 日〜10 月9 日

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 下は2011年台風15号に伴う、2011年9月21日〜22日の2日間の降水量(湯沢は欠測)。
 新潟・群馬県境はどちらも同じくらいで、台風通過前は単なる南東風の吹きつけパターンでありません。
 明らかに2012年台風4号よりも台風17号に似ていて、下層は南東風と北東風が収束していたのでしょう。
 上越は100ミリを超える地点が多く、もっとも多い糸魚川では180ミリ超。
 こちらも2012年台風17号に類似していて、北東〜北風の速度収束・地形上昇が効いていたと思います。

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 下は2009年台風18号に伴う、2009年10月8日〜9日の2日間の降水量。
 量は少なめですが、その分布から2012年4号より、2012年17号・2011年15号に似ています。
 おそらく、台風前面の下層では、南東風と北東風が収束するパターンだったのでしょう。

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 今年の台風4号の印象が残っていたため、新潟県は予想以上に降った感じがしますが、このコースであれば、通過後の吹きつけによる降水を含め、100ミリ前後の降水量になると考えたほうがよいのでしょう。
 台風が東海〜甲信を通過する際、新潟・群馬県境付近では下層の南東風と北東風の収束がどのくらい強まるか、上越方面では北東〜北風がどの程度卓越するかが、着目ポイントといえそうです。
 関連して、山陰沖〜若狭湾付近にこの風向パターンを妨げるような下層渦が存在しないか、も着目点・・・とはいえ、6月19日21時の天気図を見て、「降らない」とは言いづらいものがあります。
 事例蓄積が必要ですが、次はいつになるのでしょうか・・・。


  ※ レーダーエコー図は「川の防災情報」、天気図は北海道放送のHP、
    台風進路図はデジタル台風のHPより引用のうえ、加工しました。

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数値計算も確かに判断材料として有益ですが、台風時には、臨時で高層観測が行われます。ある種リスキーなところもありますが、この高層観測の結果は時として、思いがけない鉛直構造を見せてくれますから、必要があれば検討してみてください。
この比較をすると、コースが似ていてもそんなことが起こるという姿を見せてくれます。毎時気象解析などとも違って、人手による解析で見えてくる事象が垣間見えますので。
navarea11
2012/10/09 00:59

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