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zoom RSS *** キロクアメ  タカマツ + 関西の強雨 (9/3) ***

<<   作成日時 : 2012/09/04 23:59   >>

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 きのう(3日)は5連勤の最終日。
 13時に出社して、ふつうなら甲信・北陸・東海あたりを担当するわけですが、西日本がシビアということで、一人で監視するのは難しい状況。近畿もあわせて担当することになりました。

 なぜ、シビアになっていたかは、500hPa天気図で分かります。
 関東の東と九州の南海上には上層寒冷低気圧があり、それぞれ北上中。
 東北から九州かけて、500hPaで−7〜−9度前後の寒気が入っていました。

 ●500hPa実況天気図    9月3日9時
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 一方、下層には東海上の高気圧の縁を回って暖湿気が流入。
 日中の昇温で、大気の状態は非常に不安定になっていました。
 例によって、地上天気図ではまったく分かりませんが・・・。

 ●地上実況天気図       左:9月3日9時    右:9月3日21時
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 そんなわけで、予想通り、あちらこちらで対流雲が発達し、激しい雨に・・・。
 警報多発で慌しい中、キロクアメ タカマツが入りました。

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香川県記録的短時間大雨情報 第1号
平成24年9月3日15時07分 高松地方気象台発表

 14時30分香川県で記録的短時間大雨
 三豊市付近で約90ミリ

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 一番エコー強度が強かった(・・・主観です・・・)14時10分のレーダーエコー図です。

 ●レーダーエコー図   9月3日14時10分
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 これを見ると、広範囲に強いエコーが現われていますが、よりひどいのは西日本。
 東日本より西日本のほうが派手になったのは、九州の南にあった上層寒冷低気圧の前面で、東日本よりはっきりした上昇流場だったことが関連しているかもしれません。

 そんな西日本の中でも、近畿地方は対流雲の発達が遅かったのですが、昼過ぎには兵庫・京都の府県境〜大阪・奈良の府県境〜和歌山県で地上風の収束が明瞭になり、15時には地上風の収束に沿う形で対流雲が発達しました。
 地上風の収束が特に強かったのは京都府北部。この周辺を中心に雨が強まるだろうと考えました。

 ●アメダス・風と降水量 9月3日15時
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 ●アメダス・風と降水量 9月3日16時
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 13時30分から17時までのエコーを並べると、ここまではほぼ想定通り。
 地上風の収束域に沿って、強いエコーが現われています。
 この後、京都北部のエコーは福井県嶺南地方、具体的には小浜方面に進むと思っていたのですが・・・。

 ●レーダーエコー図     左:9月3日13時30分〜15時   右:9月3日15時30分〜17時
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 強いエコーはあまり東へ進まず・・・。
 変わって発達したのは大阪府北部〜京都府南部・奈良県北部。
 10分20ミリ以上、時間50ミリ以上の非常に激しい雨となった所がありました。

 ●レーダーエコー図     左:9月3日17時30分〜19時   右:9月3日19時30分〜21時
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 不安定とはいえ、この方面でのここまでの強まりは想定外・・・。
 事中にフォローし切れていなかったのですが、17時から18時の間に場が大きく変わっていました。

 17時の地上風分布で目立つのは、京都北部の西よりの風と福井嶺南の東よりの風で、宮津・舞鶴はそれぞれ6m/s、10m/s、小浜は6m/s。兵庫・京都の府県境にあった地上風の収束域は、明瞭なまま京都・福井の府県境まで東進していたことになります。
 この東よりの風は、伊勢湾からの南東風が向きを変えたものです。伊勢湾からの風は滋賀〜福井だけでなく、鈴鹿山脈を越えて奈良県にも入っていて、大阪湾からの南西風との間で収束域を形成していました。奈良県では対流雲からのアウトフローもあって風向がばらついていますが、大ざっぱには、伊勢湾・大阪湾からの海風は奈良県〜京都府南部で収束していたと考えてよいでしょう。

 ●アメダス・風と降水量 9月3日17時
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 このような風の分布は18時には一変していました。
 一番大きく変わったのは、舞鶴・宮津の風で、17時までの強めの西風が弱風域になっています。当然、京都・福井の府県境にあった収束は不明瞭になり、雨雲は弱まりました。
 代わって収束が強まったのは兵庫県南東部〜大阪府北部で、大阪湾からの南西風が、兵庫県北部〜京都府内の弱い東〜北よりの風とぶつかる形になりました。

 ●アメダス・風と降水量 9月3日18時
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 実際に地上風の分布が大きく変わったのは、17時30分頃。
 地上風の強い収束域となった大阪府北部では、18時過ぎから対流雲が急速に発達し、京都府南部〜奈良県北部へ進んでいきました。
 1地上風の分布は19時になってもあまり変わらず、このエリアの強雨が継続しないかどうかが焦点になりましたが、幸い20時頃までに大阪湾からの海風が弱まり、地上風の収束も次第に不明瞭に。
 20時までは勢力を保っていた対流雲のラインは徐々に南へ下がりながら、衰弱しました。

 ●アメダス・風と降水量 9月3日19時
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 ●アメダス・風と降水量 9月3日20時
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 ●アメダス・風と降水量 9月3日21時
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 この事例ではポイントになるのは、17時30分頃の地上風向分布の変化。
 これをすぐにとらえていれば、18頃の時点で大阪府北部〜京都府南部・奈良県北部の雨量を上方修正出来ていました(具体的な量をとらえられるかは別として・・・)。

 課題は、このような地上風の変化を事前にどこまでとらえられるか、です。
 京都府北部の収束域が福井県嶺南地方に東進せずに弱まったのは、伊勢湾から若狭湾へ抜ける南東風が卓越していたためと考えられます。また、大阪府北部〜兵庫県南東部で収束が強まったのは、京都府を進んだ強い対流雲からのアウトフローが大阪湾からの海風と収束したためと考えられます。
 伊勢湾からの海風と大阪湾からの海風がともにある程度強いという条件のもとでですが、どこまで一般化できるか、課題です。

 ※ 500hPa天気図は北海道放送、近畿のレーダーエコー図は「川の防災情報」、
   地上天気図、全国・四国のレーダーエコー図、アメダスは気象庁のHPから引用のうえ、加工しました。

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