Untidy Bookshelves

アクセスカウンタ

zoom RSS *** 福岡市で南岸低気圧によって積雪するのは、どのくらい珍しいのか? ***

<<   作成日時 : 2012/03/17 21:38   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 2

 以下は、先月末の西日本新聞の記事からの引用。

--------------------------------------------------------------------------------
雪の残る朝 交通に乱れ 福岡県内          2012年2月29日 14:00

 29日朝の福岡県は晴れ間が広がったものの、前夜からの雪が残り冷え込んだ。高速道路の通行止め8件や列車の運休など交通の乱れも続いた。

 福岡管区気象台によると、九州の南海上を通過した低気圧の影響で県内は28日夜から断続的に雪が降り、飯塚市では29日午前6時に4センチ、福岡市では同9時に2センチを観測した。内陸部を中心に冷え込み、最低気温は添田町氷点下0・2度、飯塚市同0・1度、福岡市0・4度−など多くの観測地点で平年を2−4度下回った。日が昇ると気温は上昇し、正午には福岡市で9・5度になった。

 積雪のため、九州8 件自動車道や福岡都市高速の一部区間が一時通行止め8 件になった。JR筑豊線では木や竹が線路に倒れかかり、一部区間が始発から運休した。

 気象台によると、3月の初めはぐずついた天気が続くが、平年並みの気温となり寒さは和らいでいくという。

=2012/02/29付 西日本新聞夕刊=

--------------------------------------------------------------------------------

 記事では福岡の積雪は2cmとなっていますが、29日0時と1時には3cmを記録しました。
 28日の福岡の気温は15時が7.8度、18時が5度と高く、まさか積雪するとは・・・という感じ。
 しかも、南岸低気圧で・・・。

 九州北部が南岸低気圧で大雪になった事例は、ちょっと記憶にありません。
 別の記事で質問がありましたので、ちょっとだけ(?)調べてみました。
 対象としたのは、福岡で1cm以上の降雪が記録されている事例。
 積雪が1cm以上でも、降雪がゼロなのは除外しました。

 以下、日付のリンク先は気象庁HPで1時間ごとの実況です。
   (20000文字の制限があるため、リンクは一部省略しています)
 2012年の実況天気図は、北海道放送のHPから引用しました。
 まずは、28日夜間。上述の通り、南岸低気圧で3cmの積雪を記録しました。

2012/2/28
 <2012年2月28日21時 地上実況天気図> 3cm


 今シーズン、福岡で1cm以上の降雪があったのは、このほかに3回。
 いずれも西高東低の形で、南岸低気圧は絡みません。
 2/2はいかにも、という感じ。2/18〜19は等圧線の間隔は開いていますが、天気図には表現できない下層シアがあったのだと思います。

●2012/2/19
 <2012年2月19日9時 地上実況天気図> 1cm

●2012/2/18 5cm
 <2012年2月18日18時 地上実況天気図>
画像

●2012/2/2 2cm
 <2012年2月2日6時 地上実況天気図>


 ここから時間をさかのぼっていきますが、北海道放送のHPから実況天気図を取り出せないので、NCEP再解析データから作成した天気図で代用します。

 2010-2011の冬は2010年12月26日の1事例だけ。
 西高東低というのは厳しいですが、少なくとも南岸低気圧ではありません。

2010/12/26 1cm
 <2010年12月26日21時 地上解析図>

 2009-2010の冬も1cm以上の降雪は1事例だけ。
 1月13日。強い冬型です。

2010/1/13 2cm
 <2010年1月13日3時 地上解析図>

 2008-2009年の冬も1事例だけ。
 西高東低というか、南高北低というか・・・。地上天気図だけでは6cm降るようには見えませんね。

2009/1/24 6cm
 <2009年1月24日21時 地上解析図>

 ここから3シーズンは1cm以上の降雪がなく、次は2004-2005の2事例。
 2005年3月6日3時の解析天気図を見ると、四国〜紀伊半島の南に低気圧がありますが、福岡で降雪があったのは明け方で、すでに低気圧の後面。南岸低気圧そのものの降雪とは言いがたく、後ろにのびた下層シアによる降雪だったと推測されます。

2005/3/6 4cm
 <2005年3月6日3時 地上解析図>

 2004年12月31日。これは問題なし。ついに南岸低気圧が現われました!
 ・・・ということで、今回の福岡の積雪は、南岸低気圧としては7年2ヵ月ぶりになると思います。
 (あくまでも、気象台のある地点で・・・ということになりますが・・・)

2004/12/31 2cm
 <2004年12月31日3時 地上解析図>

 ここで終わってもよいのですが、2004年12月31日の降雪は2cmだったので、今回の3cmを超える雪はいつ以来か? ・・・ということで、もう少しだけ(?)さかのぼります。

 2003-2004年は2事例ありました。
 2004年1月25日は強い冬型。
 2004年1月21日は本州付近が深い気圧の谷の中。日本海だけでなく、南岸にも低気圧があったかもしれません。ただ、降雪のタイミングからすると、福岡の雪に南岸の擾乱は関係なく、日本海から南下するシアが影響していたと思われます。

2004/1/25 1cm
 <2004年1月25日9時 地上解析図>

●2004/1/21 2cm
 <2004年1月21日15時 地上解析図>

 2002-2003の冬も2事例ありました。
 1月29日も1月5日も、オホーツク海には猛烈に発達した低気圧があり、日本付近は等圧線が縦縞で混みあっている点がよく似ています(等圧線は4hPaごとでなく、2.5hPaごとなので、ふつうの天気図より混みあっているのは当然なのですが・・・)。

2003/1/29 1cm
 <2003年1月29日9時 地上解析図>
画像

●2003/1/5 1cm
 <2003年1月5日3時 地上解析図>

 2001-2002の冬は1cm以上の降雪がなく、次は2000-2001の冬で1事例だけ。
 これも等圧線が縦縞模様の強い冬型です。

2001/1/15
 <2001年1月15日15時 地上解析図> 5cm

 1999-2000の冬は1cm以上の降雪がなく、次は1998-1999の冬で1事例だけ。
 1999年2月4日も等圧線が縦縞模様ですが、日本海西部で等圧線が袋状になっています。降雪量は10cm!・・・ですが、最深積雪は15cm(4日12時)。メソ擾乱が絡む短時間強雪があったのだと思います。

1999/2/4
 <1999年2月4日9時 地上解析図> 10cm

 1997-1998の冬は1cm以上の降雪がなく、次は1996-1997の冬で1事例だけ。
 日本海中部〜西部の等圧線が気になる形で、下層シア南下による降雪と考えられます。

1997/1/21
 <1997年1月21日3時 地上解析図> 3cm

 1995-1996の冬は1cm以上の降雪がなく、次は1994-1995の冬で1事例・・・ではなく、3事例ありました。
 1995年3月4日と2月1日の事例は低気圧が発達しながら東へ抜けた後、冬型の寒気移流による雪。
 1月28日はやけに等圧線の間隔が開いていますが、日本海中部に低気圧があったようです。低気圧の直接の影響はなくても、下層シアの影響を受けていた可能性があります。

1995/3/4 3cm
 <1995年3月4日21時 地上解析図>

1995/2/1 2cm
 <1995年2月1日9時 地上解析図>

●1995/1/28 1cm
 <1995年1月28日9時 地上解析図>

 ここから4シーズンは1cm以上の降雪がなく、次は1989-1990の2事例。
 1990年1月24日は6時から9時の3時間で、積雪深が11cm(!)に増えています。
 地上解析図だけからでは分かりませんが、メソ擾乱か強いシアが絡んでいたものと考えられます。

1990/1/24 15cm
 <1990年1月24日9時 地上解析図>

 1988-1989の冬は1cm以上の降雪がなく・・・。
 福岡市で南岸低気圧による3cm以上の降雪を求め、とうとう昭和に突入です。。

 1986-1987の冬は1cm以上の降雪が4事例ありました。
 1987年3月2日と1月26日は西高東低の冬型、2月3日と1月13日は(おそらく)寒冷渦に対応した低気圧、ということで、かなり荒れそうな形。でも、目的の南岸低気圧はまだ現われません。。

1987/3/2 10cm
 <1987年3月2日3時 地上解析図>

●1987/2/3 2cm
 <1987年2月3日9時 地上解析図>

●1987/1/26 1cm
 <1987年1月25日21時 地上解析図>
  (降雪1cmが記録されているのは26日ですが、降水のピークにあわせ、25日21時の天気図を表示)

●1987/1/13 1cm
 <1987年1月13日3時 地上解析図>

 1985-1986の冬は3事例。
 1986年2月24日と1月4日は冬型に移行する途中、1985年12月17日は冬型――。
 いずれも南岸低気圧は登場しません。

1986/2/24 3cm
 <1986年2月24日9時 地上解析図>

1986/1/4 1cm
 <1986年1月4日21時 地上解析図>

1985/12/17
 <1985年12月17日9時> 1cm

 1984-1985の冬は1事例。冬型です・・・。

1985/1/29 2cm
 <1985年1月29日21時 地上解析図>

 1983-1984の冬は、1cm以上の降雪が4事例ありました。
 まずは、1984年2月29日は冬型――。

1984/2/29 6cm
 <1984年2月29日9時 地上解析図>

 そして、1984年1月31日。ついに、南岸低気圧が現われました。降雪量は8cm!
 今回の福岡の降雪量3cmは、南岸低気圧としてはこの時以来の多さということになるわけです。

1984/1/31
 <1984年1月31日3時 地上解析図> 8cm

 目的は達しましたが、次の事例を見ると・・・またもや南岸低気圧!
 降雪量は18日・19日ともに5cmで、最深積雪は9cm! 
 どうやら、南岸低気圧の当たり年だったようです。

1984/1/19 5cm
1984/1/18 5cm
 <1984年1月19日3時 地上解析図>

 残る1事例は1983年12月31日。
 低気圧が東へ抜けた後の寒気移流の場。下層シアが絡んでいたかもしれません。

1983/12/31 1cm
 <1983年12月31日9時 地上解析図>

 以上より、福岡市で南岸低気圧による1cm以上の降雪(≒積雪)はかなり稀なことが分かりました。
 ただし、これは福岡市、しかも気象台のあるエリアに限った話で、ほかの都市はどうなのか? 福岡市で積雪レベルにいたるにはどのような条件が必要なのか? などについては、今後の課題です。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
過去サーチありがとうございます。
やはり、今回の南岸低気圧は稀な出来事だったんですね。
25年確率を引いてしまうとは…
次に生かせることができるかどうかは、
難しいところですね。
匿名希望!(もうバレテイル…)
2012/04/15 14:25
25年確率を引いてしまったのは、
「持ってる人」ということで前向きに・・・
何しろ事例が少ないので、
「南岸低気圧による福岡の積雪」には難しいかもしれませんが、
ほかの顕著事例に遭遇した時に、間接的な形で活きると思います。
たかはし
2012/04/16 20:34

コメントする help

ニックネーム
本 文
*** 福岡市で南岸低気圧によって積雪するのは、どのくらい珍しいのか? *** Untidy Bookshelves/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる