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help リーダーに追加 RSS 『ハチワンダイバー 7』 柴田ヨクサル (集英社)

<<   作成日時 : 2008/06/26 20:35   >>

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第61話 どこかの誰か
第62話 向こう側の人
第63話 深海
第64話 投了図
第65話 レアカード
第66話 サンタさん
第67話 行きます
第68話 ばぁや
第69話 一方的
第70話 ニューヨーク
第71話 お年寄
                  2008年5月7日第1刷発行

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 第6巻を返す前に7巻が・・・。第6巻が出たのは3月末。だいたい3ヵ月に出るので、まだ大丈夫(?)と油断(?)してました・・・。でも、週刊誌3ヵ月分だと13話くらいなので、一巻あたりが10〜11話では3ヵ月より間隔が狭まることがあるのは当たり前。おまけにテレビドラマも始まったし、タイミングをあわせたのでしょう。
 ということで、帯には当然・・・。

  連続テレビドラマ開始!!!
  フジテレビ系列にて5月3日(土)START!!
  毎週土曜23:10〜 CAST:溝端淳平・仲里依紗
  毎週土曜はドラマにもダイブ!!


 さらにいつものように・・・。

  プロ棋士だって読んでいる!!!! 柴田ヨクサルの最高傑作にして最大ヒット作
  『このマンガがすごい!2008』(宝島社)オトコ編 第1位!
  『週刊現代』07年このコミックが面白いBEST20 第1位!
  『このマンガを読め!2008』 第2位!
  朝日新聞ほか各紙誌大絶賛!
  週刊ヤングジャンプ(毎週木曜日発売)大熱狂連載中!


 カバーに書かれているあらすじは・・・。

  鬼将会の手がかりを求め、ゲーセンで将棋ゲームに挑む菅田だが、
  なんと画面の向こう、ラスボスキャラを操るのは!?
  そして気になるクリア特典のレアカードとは一体・・・。 
  熱戦! 血戦!! 『将棋学園クエスト』最終面!!!


 第6巻後半から登場の『将棋学園クエスト』は鬼将会との戦いを前にした息抜きかと思ったのですが、当然、単なる息抜きであるわけがなく、「入口」でした。ラスボスキャラの左腕には「鬼将会」の文字が・・・。

 先手になった菅田が選んだのは師匠が作った定跡・新早石田流でした。

 初手からの指し手
  ▲7六歩  △3四歩  ▲7五歩  △8四歩  ▲7八飛  △8五歩  ▲7四歩  △同 歩
  ▲同 飛  △8八角成 ▲同 銀  △6五角  ▲5六角  △7四角  ▲同 角  △7二金
  ▲5五角  △7三歩  ▲5六角  △1二飛 (第1図)


   【第1図 △1二飛まで】

 でも、師匠の将棋は詳しくは知らないようで、△1二飛を見て、「それで勝つ気かい」とつぶやいています。
 指し手はかなり進み・・・次に現われる図は第2図の局面。

 第1図からの指し手
  ▲3四角  △3二金  ▲7七角  △6二銀  ▲4八銀  △4二銀  ▲5六角  △5四歩
  ▲3六歩  △5三銀右 ▲3七銀  △6四銀  ▲6六歩 △5三銀上 ▲4八玉  △5五歩
  ▲6七角  △5四銀  ▲3八金  △6二金  ▲6八角  △7四歩  ▲7七銀  △4四歩
  ▲4六歩  △7五銀  ▲5八金  △5三金  ▲2六銀  △6四歩  ▲7六歩  △8四銀
  ▲3五銀  △7三銀  ▲3九玉  △6五歩 (第2図)


   【第2図 △6五歩まで】

 二枚角VS二枚飛車の異様な局面。ようやく戦いが始まりました。

 第2図からの指し手
  ▲6五同歩 △同 銀  ▲6六歩  △5四銀  ▲5九角  △2二飛  ▲2六角  △4二飛
  ▲6八銀  △6二銀  ▲7七桂  △3三金  ▲3七桂  △2四歩  ▲4五歩 (第3図)


   【第3図 ▲4五歩まで】

 玉に近い場所での戦いなので、ここでの折衝が勝負に直結することになります。
 しかし、△2六飛上とはすごい一手・・・迫力があります。

 第3図からの指し手
  △2五歩  ▲1五角  △1四歩  ▲3三角成 △同 桂  ▲4四歩  △2六歩  ▲同 歩
  △5六歩  ▲同 角  △5五角  ▲4八金左 △4四金  ▲同 銀  △同 飛  ▲3四金
  △4六飛  ▲4七歩  △3六飛  ▲2七金打 △2六飛上 ▲同 金  △同 飛  (第4図)


   【第4図 △2六同飛 まで】

 第4図以下、▲8一飛成と緩めるのが落ち着いた手。これで意外に後手に手がありません。攻めるなら△3六歩くらいしかありませんが、これを逆用する形で、三桂の攻めが見事に決まりました。

 第4図からの指し手
  ▲3三金  △2九金  ▲4九玉  △3三角  ▲3一飛  △4二玉  ▲8一飛成 △3六歩
  ▲4六桂  △4三銀  ▲4五桂  △4四角  ▲5四桂打 △3二玉  ▲3三歩  △2三玉
  ▲5三桂成  まで111手で菅田の勝ち  (第5図)


   【第5図 ▲5三桂成まで】


 第2図からは図面が多くなりますが、そこまでの手順をよく再現できたと思いませんか? ちょっとすごいでしょう(・・・自画自賛・・・)。でも、当然、自力でできるわけなんてありません。タネも仕掛けもありまくり・・・です。

 この将棋にはモトネタがありまして・・・。
 新早石田の▲7四歩といえば、鈴木大介八段。このハチワンダイバーの将棋監修を行っています。

 第4図の△2六同飛までは鈴木八段の実戦そのまま。ただの将棋ではありません。タイトル戦の将棋です!
 二年前の第77期棋聖戦五番勝負第3局、相手は佐藤康光棋聖でした。

   【第4図 △2六同飛 まで】

 菅田はここで▲3三金と指しましたが、鈴木八段の指し手は▲2七歩。あまりよくなかったようです。
 以下、佐藤棋聖の手厚い指し回しに屈し、投了。3連敗となり、挑戦は失敗に終わりました。

 第4図からの指し手
  ▲2七歩  △3六飛  ▲3三金  △同 飛  ▲4六桂  △6三銀引 ▲3四歩  △3一飛
  ▲4五角  △5二金  ▲8三飛  △7二銀打 ▲8五飛成 △4四金  ▲6七角  △8四歩
  ▲同 龍  △6一玉  ▲7五歩  △8三歩  ▲8六龍  △7一玉  ▲7四歩  △3六歩
  ▲4五桂  △4一飛  ▲3三桂成 △4五歩  ▲3二成桂 △4六歩  ▲同 歩  △同 角
  ▲4一成桂 △1九角成 ▲4九玉  △3五香  ▲4二成桂 △同 金  ▲3三歩成 △3七歩成
  ▲4二と   △3八と  ▲同 金  △同香成  ▲5八玉  △6四馬  ▲4一飛  △8二玉
  ▲6五桂  △5五桂  ▲5六角  △8六馬  ▲同 歩  △6七金  ▲同 角  △同桂成
  ▲同 玉  △7五桂  ▲7七玉  △7八飛  ▲同 玉  △8七角
           まで156手で佐藤棋聖の勝ち  (第6図)


   【第6図 △8七角まで】

 「将棋世界」2006年9月号に「棋聖戦3連敗の真相を語る この屈辱を忘れない」というインタビュー記事で、鈴木八段はこの周辺の局面を次のように述べています。

 で、△2六飛上。まあ、指された瞬間は鼻で笑ってましたよ。「ありがてえっす」と(笑)。こうやって首を差し出してくるのかと思いました。以下▲2六同金△同飛。この瞬間はまだ6−4くらいで私のほうがいいんですよ。序盤の6−4はまだまだですけど、終盤の6−4はずいぶん勝ちやすいですからね。
 ところが、▲2七歩と打った瞬間に、形勢は5.1−4.9にまで縮まってしまいました。▲2七歩ではなく、▲3三金と桂馬を取りきってしまうのが明快でしたね。以下、△2九金▲4九玉△3三角▲3一飛△4二玉▲8一飛成で優勢を維持できました。本譜の▲2七歩は安全勝ちを目指した手なんですけど、こういう力のない受けを指しちゃうのが振り飛車党の悲しい性ですよね。振り飛車党はこういう局面で受けたほうがトクだと思っちゃうんです。居飛車党ならここで一歩踏み込んで▲3三金を発見するんでしょうけど。


 実に率直で、分かりやすいです。▲2七歩がよくなかったと・・・、で代わりの手としてあげているのが▲3三金で、以下△2九金▲4九玉△3三角▲3一飛△4二玉▲8一飛成・・・って、これ、菅田が指した手順です。
 幻の手順がこういう形で現われるとは・・・。将棋監修の役得ですね。ちょっと複雑ですけど・・・。

 ところで・・・将棋世界8月号の予告には

  付録 ハチワン次の一手! ハチワンダイバーに登場した局面から次の一手を出題

とあります。この▲3三金も出てくるのでしょうか。
 「ハチワン次の一手!」というより、「鈴木八段が逃した一手」ですが、ほかにもこういう手が出てきたりして・・・。鈴木八段の実戦がどのくらい題材に使われているのか、まったくの創作局面のほうが多いのか、など裏の話が明かされるかもしれず、楽しみです。

 話が第7巻からそれましたが・・・、鬼将会の入口を開けてしまい、後半はマムシとの再開。相当危ない感じです。
 テレビドラマのほうは少々展開が速く、斬野との再戦後、早くも鬼将会と対決の気配が・・・。原作にはないキャラが登場し、どういう役回りをするのか、展開が読みにくくなってきました。

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