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zoom RSS 『総観気象学入門』 小倉義光 (東京大学出版会)

<<   作成日時 : 2007/02/01 23:57   >>

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『【最新】気象の事典』(1993・東京堂出版)の「総観気象学」の記述―――。
 各地の観測結果を地図上に記入し、必要な気象要素の分布状態を表した天気図を
 基礎資料として大気の構造や擾乱の構造を解析する。「総観」とは特定の時点における
 広域の気象要素の分布を、みやすい形で表示して調べることをいう。このような手法に
 よって解析できる擾乱の大きさは1000km以上のスケールのものである。このような擾乱は
 移動性の高・低気圧や前線システムであることから、これらを総観規模現象という。
 このため、現在ではこのような総観規模の現象の解析的な研究を行なう分野の学問を
 総観気象学という。 (以下略)

 この記述は事典だけあってやたら長いが(指示代名詞多すぎ!!)、総観気象とは分かりやすく言うと<地上天気図でみる温帯低気圧や移動性高気圧、前線、高層天気図でみる気圧の谷や尾根など、数千kmの大きさをもった大気中の現象>のことで、おもに短期範囲の予報に大きく関わっている。ナウキャストや週間範囲の予報を行なう場合でも、通常はこの短期範囲の手法を押さえておかなければいけないわけで、折に触れてページを開いては現象や構造など、再確認している。
 しかし、あらためて目次を見てみると、内容をすぐに思い起こせる章と、そうでない章があまりにもはっきりしている。すぐに思い出せる章―――、すなわち何度も読んだことのあるのは第6章と第7章、それ以外は一度か二度くらいしか目を通したことがない。何が違うのかというと、大好き(!?)な低気圧について書かれているかどうか、ではない・・・。
 悲しいことに第6章と第7章の共通点は数式がほとんどないこと。第6章は2、第7章にいたってはゼロ!である。式がないのに図がたくさんあって、読みやすいこと! 一方、そのほかの章は第1章は77、第2章は80、第3章は73、第4章は57、第5章は149、第6章は49と数式盛りだくさん。要するに単に数式を避けていただけということ。

 著者のまえがきには「なれない数式に苦労して本書を通読した結果、同じ天気図や気象衛星の雲画像をみても、より深い見方ができるようになり、苦労の甲斐があったと読者が感じてくだされば、筆者にとってこれほど嬉しいことはない」とあるが・・・、やっぱり楽ばかりではだめですかね?! 
 楽はしたいけれど、高いお金で買ったのに理解できる部分が少ないのはやっぱり悔しい。少し数学でも勉強し直そうか。ほかにもこの手の本が何冊かあるし・・・。こんな不純な動機では長続きしないか・・・、いや、こんな不純な動機だからこそ・・・。

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序章 総観気象とは
 0.1 キーワードは「中緯度」と「総観規模」
 0.2 観測データ解析と気象力学が融合した総観気象学
第1章 準備編
 1.1 微分と積分の復習
 1.2 テイラー級数の応用:発散・収束と個別微分
 1.3 連続の式を導く
 1.4 乾燥大気の熱力学
 1.5 運動方程式系を導く
 1.6 ベクトル演算と渦度ベクトル
第2章 運動方程式を解く
 2.1 物体の落下運動:運動方程式を時間積分する
 2.2 大気の静的安定度:常微分方程式を解く
 2.3 総観規模の風はなぜ地衡風に近いか
第3章 総観気象の基礎方程式
 3.1 静水圧平衡近似とそれが持つ意味
 3.2 気圧座標系
 3.3 プリミティブ・モデル
 3.4 有効位置エネルギーというもの
 3.5 渦度方程式
第4章 渦位でみる大気の流れ
 4.1 渦位とは何か
 4.2 渦位と寒冷渦と雷雨
 4.3 渦度的考え方
 4.4 渦位的考え方
第5章 準地衡風的考え方
 5.1 準地衡風モデル
 5.2 温度風
 5.3 エネルギーの保存則
 5.4 オメガ方程式
 5.5 Qベクトルとソーヤー・エリアッセンの鉛直循環
 5.6 傾圧不安定波
 5.7 ロレンツのエネルギーサイクル:傾圧過程と順圧過程
 5.8 ロスビー波
第6章 温帯低気圧の構造と進化
 6.1 温帯低気圧のライフサイクルの概観
 6.2 温帯低気圧の発達と対流圏界面の折れ込み
 6.3 上層と下層の擾乱のカップリングと低気圧像の変遷
 6.4 シャピロの低気圧モデル
 6.5 閉塞前線は本当にあるのか
 6.6 海上で爆発的に発達する低気圧
第7章 低気圧に伴う流れと雲のパターン
 7.1 温帯低気圧/トラフに伴う主な流れ
 7.2 カタ前線とアナ前線とスプリット前線
 7.3 即席閉塞
 7.4 寒気内の小低気圧
 7.5 前線上の二次的低気圧
第8章 前線とジェット気流と非地衡風運動
 8.1 前線像の変遷
 8.2 風の場の表現:変形の場を中心として
 8.3 前線形成関数とその実例
 8.4 前線形成に伴う鉛直循環
 8.5 上層の前線
 8.6 ジェット・ストリークのまわりの鉛直循環
 8.7 低気圧の構造とより大きなスケールの流れとの関係

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