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zoom RSS 『詰将棋の創り方』 伊藤果 (日東書院)

<<   作成日時 : 2006/10/12 01:28   >>

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 異色の本である。このようなマニアックな本が単行本として刊行され、一般の書店に並んでいたとはちょっと信じ難い。この本になぜかめぐり合ってしまい、人生が狂ってしまった(?)人も決して少なくないだろう。中三の時に買ってしまった自分もその一人かもしれない。
 当時、詰将棋を解いてはいたけれど、それは強くなるための手段、実戦を指しているほうが好きだったはず。どういう考えでこの本を買っ(てしまっ)たのか、まったく記憶にない。たぶん「ほかの人が作った詰将棋を解けないのが悔しいので、自分の作った詰将棋で悔しがらせたい」ということだったのだろう。いやなガキである。
 残念ながら、その目的はすぐに達成できなかったが、何度も何度も読み込んでいるうちに明らかな誤りが何ヵ所かあるのに気がついた。まずは下の図。

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 <例によって、詰手順を追ってみましょう。初手▲3一飛成△1二玉▲3二竜△2二歩合▲2一竜△同玉▲3二銀不成△1二玉▲2一銀不成△2三玉▲3二角成まで十一手詰>とあるが、これは全然詰んでいない。3四が空いてるんですけど・・・。その前に初手から▲3一飛成△1二玉▲3二竜△2二合▲4五角までの五手の余詰もあるし。
 詰手順の後に<この作者の意図するところは、3二の飛を捨てることによって2二に置き駒を設けられます。これによって銀で玉を追った▲3二銀の時、△2二玉とかわされないことになるのがおわかりいただけたと思います>とあるので、おそらく玉方・3四歩が抜けたのだろう。これなら▲4五角の筋が王手にならないので、余詰もない。
 納得、納得と思ったら、だめ押しで次の図。これは一目詰まない。

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 <最初から2二に玉方の駒があり、飛車のないものなら▲3二銀不成からの詰手順は容易に発見できるでしょう>ってあるけど・・・、だから3四が空いてるって! 二度も見落とすか?!
 さらに次の図。<▲1三角△同玉▲1二金△同香▲1四飛△2二玉▲1二飛成△同玉▲3二竜△2二合▲2三金まで十一手詰>って、なんて不思議な詰み上がり! 1一に逃げられなければ「▲2三金まで」もありうるが、途中に△1二同香ってありましたよね? 1一は空いてます・・・よね?

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 柿木将棋Wは約1分で▲1三角△同玉▲1二金△同香▲1四飛△2二玉▲1二飛成△同玉▲3二竜△1三玉▲1六香△2四玉▲1五金△1三玉▲1四金までの十五手詰めを解答。まあ、詰んでいることは詰んでいるけど・・・。
 実はこの詰将棋、「二上九段の詰将棋の作り方講座」として本書の中に引用されているもの。二上先生とはこの件でどんなやりとりがあったのだろうか。それとも、ひょっとしてもとネタから間違っていた? まったくもって詰将棋とはミステリアス、というかミス・・・、ほかにないですよね? と疑心暗鬼に陥らせるのが真の狙い? 完全な作品を作るためには、よい意味での猜疑心が必要なのだ・・・ということを言外に語っているのかもしれない。うーむ、深すぎる。

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